チームが2位で戦っていられるのは、勝負強い主将の打撃があってこそだ。DeNAの佐野が先制打を放ち、打線に火をつけた。 0―0の四回、先頭の2番大田がチーム初安打となる二塁打で出塁した。佐野は「次につなげようと思い打席に向かった」。甘い直球を見逃さず中前に運び、「先制点となってよかった」と喜んだ。 好不調の少ない安定した打撃は、地道な努力に支えられている。「毎日、試合が終わった後にバットを振って、頭と打撃の整理をする」。ベンチでは、打席ごとに気付いたことを欠かさずメモする。「多くの投手と対戦するので、前の打席の内容を忘れないように、頭に思い描いて打席に入れるようにしている」 主将を務めて3年目。昨年は初めて全143試合に出場したが、チームは最下位に沈んだ。今年はペナントレースも終盤に入り、ヤクルトを必死に追い掛ける。「目の前の試合を、しっかり集中して戦っていく」。地に足を着け、残り試合に全力をぶつける気構えだ。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕4回、先制適時打を放つDeNAの佐野=8日、東京ドーム