快音を残し、豪快な打球が右中間席に達した。広島の秋山が日本球界復帰後1号となる2ラン。どよめきが起こった敵地東京ドームでダイヤモンドを一周してベンチに戻ると、表情を緩めることなくチームメートと拳で力強くタッチを交わした。 一回の打席は「前の2人がいい流れをつくってくれた」。先頭野間が内野安打で出て、菊池涼が1球で犠打を決めた後だった。山崎伊の浮いた変化球を仕留め切れずにフルカウントとなったが、最後は甘く来た145キロを強いスイングで捉えた。 米大リーグから3シーズンぶりに戻り、初めてセ・リーグで戦う。8日のデビュー戦で2安打を放ったものの、その後は18打席無安打と苦しんだ。14日に久しぶりの安打をマークし、「今は来た球を振っている方が多い。打席を重ねたり、自分の映像を見たりして、打席の中で表現できるようにしていきたい」と話していた。 シーズン216安打のプロ野球記録を持つ好打者はまだまだ調整過程にいるが、1号アーチの意味は大きい。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕1回、先制の2ランを放つ広島の秋山=15日、東京ドーム 〔写真説明〕1回、先制の2ランを放ち、祝福される広島の秋山(左)=15日、東京ドーム