逸ノ城が久しぶりに存在感を示している。2関脇1小結を破り、大関貴景勝も撃破して4連勝。「前に出られている感じはある」と納得できる相撲が続いている。 張り差しは不発でも、すぐに左から攻めて大関の体を泳がせた。左上手をがっちりとつかみ、胸を合わせて万全の寄り。まげをつかんだのではと物言いが付いたが、軍配通りに逸ノ城の白星。昨年の九州場所で貴景勝のまげをつかんで反則負けしていたが、悪夢は繰り返されなかった。 新型コロナウイルスに感染して先場所は休場。取組をテレビで見ながら、「俺も頑張らないと」と闘志を燃やしていたという。八角理事長(元横綱北勝海)は「相撲を取りたい気持ちがすごく前向きになって、いい結果になっている。このまま活躍できるのでは。内容がいい」と期待する。 初日からの4連勝は、14勝を挙げて優勝争いをした2019年の春場所以来。5日目は結びで横綱照ノ富士とぶつかる。「前に出る、それしかない。できるだけ相手より先に先に」。自分に言い聞かせるように話した。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕貴景勝(左)を寄り切る逸ノ城=13日、愛知・ドルフィンズアリーナ