どんどん調子が上がっていった投球で、ソフトバンクの強力打線を寄せ付けなかった。楽天の岸が7回2安打無失点の好投で勝利をもたらした。 一回に遊ゴロ併殺、二回に三振ゲッツーと立て続けにダブルプレーを取れたことで流れに乗った。中盤には全ての球種を自在に操れるようになり、三回から六回までは一人も走者を出さなかった。「意識しなくてもちゃんと低めにいって、狙ったところにちゃんと投げられた」。まさに完璧な内容だった。 七回1死一塁で牧原大を迎え、次の柳田に回すことは避けたかった。「何とか、つなげられないようにアウトを一つ増やそうと思って投げた」。特に状態の良かったチェンジアップで引っ掛けさせて、二ゴロ併殺に仕留めた。 野手に助けられた試合もあるが、長いイニングを少ない失点でしのぎ、先発としての役目を果たす37歳のベテラン。約1カ月ぶりに白星を手にし、通算150勝にも、あと三つに迫った。「もちろん、それしか今は意識してない」。まずは近づいた節目に向けて腕を振る。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕7回、ソフトバンクの牧原大を併殺に打ち取り、手をたたいて喜ぶ楽天先発の岸=7日、楽天生命パーク