最後は捕手のタッチをかいくぐり、左手でベースに触れた。カブスの鈴木が九回1死から左中間への大きな当たりを放ち、ダイヤモンドを駆け抜けた。「けがをしないようによけながらスライディングできた。アウトにならなくてよかった」。ランニング本塁打になると、地面をたたいて喜びを表した。 メジャー屈指の抑え投手、ヘイダーの速球を力強くはじき返した打球は、フェンスに当たって転々。激走を見せて生還し、4月17日以来の本塁打となる今季5号とした。 5月26日の試合で左手薬指を負傷し、1カ月以上戦列を離れた。調整中も状態が上向かずに我慢の日々を送った。ロス監督に「戦う準備はできた」と告げ、気合十分で臨んだ復帰戦。七回の右前打を含め、2安打1打点と躍動した。 けがの不安を拭い去り、「久々のメジャーの試合だったので楽しみながらやろうと決めて入った。この舞台でまた野球ができる喜びもあった」。チームが敗れて笑顔全開とはいかなかったが、言葉には充実感がにじんだ。 (ミルウォーキー時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕ブルワーズ戦の9回、ランニング本塁打を放ったカブスの鈴木=4日、ミルウォーキー(AFP時事)