日本ハムの新庄監督は、追加点が欲しかった五回の場面で積極策を繰り出した。 今川の二塁打で4―0とし、なおも1死二、三塁。ビッグボスはこれまでたびたび驚きの作戦を敢行してきただけに、打席に向かった石川亮は「何かあるだろう」と準備していた。 初球にバントの構えを見せた後、1ボール2ストライクから出たサインは2ランスクイズだった。落ち着いて一塁側へ転がし、スタートを切っていた三塁走者が生還。さらに二走が三塁を蹴って本塁へ。一塁手が打球を処理している間に本塁を陥れた。采配がはまった監督は、ベンチで大きなガッツポーズをつくった。 新庄監督は10―0の完勝ではなく、キャンプなどで練習した作戦が決まったことに価値を求めた。「信頼関係というか、一発で成功してくれたことがうれしい」。最下位に沈む苦境は変わらないものの、手応えは少しずつ感じている。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕5回、2ランスクイズを決める日本ハムの石川亮=11日、札幌ドーム 〔写真説明〕7回、投げ終えてベンチに戻る2番手の柿木(左)を笑顔で迎える日本ハムの新庄監督=11日、札幌ドーム