再三の好機であと一本が出ない、もどかしい展開。決着をつけたのは、楽天の主軸に座る浅村だった。 延長十回1死二塁。ここまで4打数無安打3三振に倒れていたが、嫌なイメージはなかったという。「悪い打席はそんなになかった。三振もアウトも自分の中では一緒」と思い切りバットを振った。甘く入ってきた3球目の直球を迷わず強振。打球は前進守備を敷いていた中堅手の頭上を越えた。今季2度目のサヨナラ打を「最後にはいい形で打てて、試合を決められてよかった」と淡々と振り返った。 「自分の一打で勝つのが、何よりも自分のバッティングの状態を上げてくれる薬」と語る主砲。一時はリーグ首位を快走したチームが失速し、浅村も同時期に調子を落としたが、底は脱した。 投手陣の頑張りに打線が応えられない試合が続いた。チームの復調には、浅村の活躍は欠かせない。「自分だったらもっとできる、と信じてやっている。現状に満足はしていない」と表情を引き締めた。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕延長10回、サヨナラの適時二塁打を放ち、祝福される楽天の浅村(左端)=8日、楽天生命パーク