ソフトバンクの和田は41歳になっても、日々進化を求める。今季は球数が増えると球威が落ちることがあり、故障歴のある左肩への負担が少ないフォームを模索。直近の2軍戦で手応えを感じたといい、好感触でこの日のロッテ戦に臨んだ。 チェンジアップでの緩急も効いたが、健在なのは直球。相手が差し込まれる場面も目立ち、最速は146キロ。真っすぐで空振りが取れることこそが和田の変わらないすごみであり、真骨頂だ。 序盤から飛ばしてアウトを重ね、六回2死まで無安打投球。2死一塁で中村奨に二塁打を打たれて1点を失ったところで降板となり、「抑えてバトンタッチしたかった」。四回あたりから足がつるアクシデントもあったが、役割は果たした。 昨季は同じ1980年度生まれの「松坂世代」の選手たちがみな現役を退いた。自身は5勝を挙げたが、「全くできなければ、やめる覚悟もちらつく」とも明かした。冬の自主トレでは、20歳近く離れた後輩と険しい坂道を上る姿が恒例になった。 待望の今季初勝利。日米通算150勝の節目の数字にも王手をかけた。「日々、良くなりたいと思っている。投げた試合でチームが勝つことが一番」。衰え知らずの左腕は、今季も頼もしく腕を振っていく。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕ヒーローインタビューを終え笑顔で撮影に応じるソフトバンクの柳田(左)と和田=22日、ペイペイドーム