ソフトバンクの藤本監督は、前日の試合前に言った。「いるメンバーでやっていくしかない。若い選手はチャンス。ここで出てきてもらわないと」 チームは開幕8連勝で勢いに乗った後、栗原や柳田の不在もあって、いまひとつ元気がなかった。そんな状況でレギュラー定着を狙う2人が活躍し、連敗を3で止めた。 まず見せたのは23歳の三森だった。二回に追い付き、なお2死一、三塁。初球の甘い変化球を逃さずにライナーで右翼席へ。好調の1番打者は、「打った時はどうかなと思った。うれしかった」と素直に振り返った。 三回には悔しいシーズンが続いている26歳の上林が負けじと右翼へ一発。無死一、二塁でチェンジアップを捉え、「打った瞬間入るなと思った」。手応え十分の今季1号で突き放した。 前日は17安打で5得点とつながりを欠いた打線。チームの核が抜けて迫力不足も否めなかったが、指揮官の願い通りに穴をカバーする形で2人が躍動した。藤本監督は「三森も上林もよく打ってくれた。勝因はホームラン」。たたえる言葉に自然と力が入った。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕2回、3点本塁打を放つソフトバンクの三森=23日、札幌ドーム 〔写真説明〕3回、3点本塁打を放つソフトバンクの上林=23日、札幌ドーム