8点リードの九回。広島の森下は2死一、二塁とされ、球数は131球に達していた。ベンチから高橋投手コーチがマウンドに来たが、降りるつもりはない。代打山本を二飛に打ち取って1失点完投勝利を果たした。 救援6投手を使って延長十二回の末に引き分けた翌日の先発マウンド。「きのう苦しい試合をしていたので、何とか最後まで投げ切ろうと」。主戦投手としての自覚を示した。 バットでも4打点をたたき出して自らを援護。二回は1点を先制し、なお1死一、三塁の場面で警戒されながらもフルカウントからスクイズを成功させた。 三回には無死満塁から堂林と上本が走者をかえせず、ムードがしぼみかけたところで、鋭いライナーで右中間を破る三塁打を放った。「(プロで)初めての三塁打だったので、めちゃくちゃうれしかった」と素直に喜んだ。 今季初先発で白星を挙げた3月26日のDeNA戦でも3安打3打点をマークした。「自分が(打線の)ブレーキにならず、とにかく打ちにいくという意識でやっている」。マウンドはもちろん、打席での貢献も誓っている。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕阪神に完投勝利し、喜ぶ広島の森下(中央)=9日、甲子園 〔写真説明〕3回、走者一掃の3点三塁打を放つ広島の森下=9日、甲子園