柏は一瞬のチャンスを逃さなかった。自陣ペナルティーエリアでボールを奪うと、素早くカウンターに移行。マテウスサビオが右サイドをドリブルで持ち上がりながら相手DFを引き付け、中央に絶妙のパス。フリーになった細谷が蹴り込むと、ゴールネットを揺らす鮮やかな先制点となった。 細谷は「サビオがいい仕掛けをしてくれたおかげで、僕は流し込むだけだった」と仲間のお膳立てに感謝。3月下旬には、2024年パリ五輪を目指すU21(21歳以下)日本代表メンバーとして、アラブ首長国連邦ドバイで行われた国際大会に出場。決勝のサウジアラビア戦でゴールを決めて優勝に貢献した20歳は、リーグ戦でも今季3点目。早くも自己最多だった昨季に並んだ。 ここぞの攻撃に転じることができたのは、出足鋭い守備があったからこそでもある。勝ち点3をもぎ取り、暫定首位に浮上。ネルシーニョ監督は「相手にボールを自由に動かされる場面もあったが、守備で相手のテンポを崩すことができた。ボールを奪い返し、得点機をつくった」。青写真通りの試合に胸を張った。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕前半、先制のゴールを決めて喜ぶ柏の細谷=5日、ヨドコウ