短いウイニングパットをコツンと押し込むと、西郷は柔和な笑みを浮かべた。本人いわく「苦笑いですね」。18番は第1打がよもやのOBでダブルボギー。5打差の首位スタートから、最後は1打差での逃げ切りとなり、優勝スピーチでは「ハラハラ、ドキドキになってしまいました」と打ち明けた。  ボギー先行でスコアが荒れた中でも冷静だった。雨が降り続き「多少のミスは許容範囲」と言い聞かせた。9、10番の連続ボギーも「自分ではいい(パー)パットだと思った」と引きずらず、「イメージがいい」という11番(パー3)で70センチに乗せてバーディー。「ボギーになりそうでパーをセーブできたところもあって、よかった」  終わってみれば今大会、4日間とも首位を譲らない完全優勝。ツアー制度施行(1988年)後では、2005年の日本女子オープンを制した宮里藍に次ぐ若さで「4日間完全V」を成し遂げた。次週は、全美貞(韓国)と鈴木愛だけが記録している3週連続優勝が懸かる。今季5戦で3勝という驚異的な強さを見せているだけに、期待は膨らむ。  師匠の尾崎将司からは「国内メジャー制覇を目指せ」と励まされているという。「そこを目標の一つに頑張ります、とお伝えしたい」。20歳の快進撃はどこまで続くか。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕ホールアウトし、ギャラリーの拍手に応える西郷真央=3日、静岡・葛城GC山名
情報提供元: 時事通信社
記事名:「 最後は冷や汗も完全V=西郷、驚異の5戦3勝―ヤマハ女子ゴルフ