長い試合に決着をつけた楽天の田中和は、二塁を回りながら思わず目を潤ませた。観客席が沸き立ち、ベンチから笑顔の仲間が飛び出してくる。「幸せだなと感じた。いいところで打てて本当によかった」と喜びをかみしめた。  オープン戦で結果を残せず、開幕スタメンから外れた。田中和の本職である中堅手は、内野手の小深田が担った。「しっかりと受け入れて、できることをやるしかない」。この一戦で先発起用されたことに感謝し、奮起。延長十一回2死二塁。カウント2ボールからフルスイングした打球は、前進していた中堅手の頭上を越えた。  2018年に新人王に選ばれてからは故障などで出番が減り、悔しい3年間を過ごしてきた。競争の厳しさは十分分かっている。6年目を迎えた田中和は「やらなければいけない立場になっている。覚悟を決めてやっている」と表情を引き締めた。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕延長11回、サヨナラ打を放ち、喜ぶ楽天の田中和=27日、楽天生命パーク 〔写真説明〕延長11回、サヨナラ二塁打を放つ楽天の田中和=27日、楽天生命パーク
情報提供元: 時事通信社
記事名:「 楽天の田中和、殊勲打に涙=スタメン起用に奮起―プロ野球