国学院久我山が信条としている「考える野球」を実践し、4度目の選抜大会で初めて勝利を挙げた。 小差の勝負で、攻守に手堅いプレーが生きた。リードして迎えた六、七回は出塁した先頭打者を確実に送り、貴重な追加点につなげた。三回に適時打を放った先発の成田は「打順はあってもその回その回で先頭は1番の役割、次は塁を進める、とつながりを意識する。自分たちらしい野球ができた」と誇った。 部員からの手紙がきっかけで、昨年11月に米大リーグ・マリナーズなどで活躍したイチローさんの指導を受ける機会があった。その時に考える姿勢を褒められたことが、ナインの自信につながった。中堅手の斎藤は相手の打者を研究した上で1球ごとに守備位置を微調整。「成田が直球を投げるなら(打球は)こっちに来るだろう、などと感じていた」という。昨秋の東京大会制覇に満足せず、高いレベルを求めて成長した。 試合に臨むに当たり、イチローさんから「米国から見ていますよ」とのメッセージを受け取ったという。名手の教えを胸に、壁を一つ乗り越えた。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕3回裏国学院久我山2死二、三塁、成田が適時打を放つ=22日、甲子園