ゴールすると右手でガッツポーズをつくった。最大のライバルである強豪ロシア勢がいない中、川除は2位に1分半以上の差をつけて圧勝の金メダル。「率直にうれしい気持ちが一番。4年前に比べてすごく成長したんだなと感じた」。21歳は笑顔を振りまいた。 前半に上り坂のある5キロのコースを4周する。川除は軽やかな走りでペースをつかむと、課題にしていたレース後半の失速を最小限にとどめた。他の選手とのタイム差をどんどん広げた。 17歳で初出場した前回の平昌大会は、個人3種目でいずれも入賞に届かなかった。「4年前は、ただただがむしゃらだった。フォームの意識とか、課題を見つけるとか、その点で変わった」。体格は小さいがバネがあり、心肺機能も強い。その特長をどう生かすかを考えた。 重心が後ろに下がり過ぎていたフォームを改善し、体幹を徹底的に強化。腕の使い方もスピードスケートの選手を参考に、肩から大きく振る意識を取り入れた。地面を蹴るとき、力がより伝わりやすくなった。 第一人者である新田に早くから才能を見込まれ、後継者に指名されてきた。「安心してもらいたい。これからは自分が引っ張っていきますと、しっかり伝えたい」。新エースは自覚たっぷりに語った。(時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕ノルディックスキー距離男子20キロクラシカル立位、笑顔でゴールする川除大輝=7日、張家口 〔写真説明〕ノルディックスキー距離男子20キロクラシカル立位で力走する川除大輝=7日、張家口