昨季の本塁打王が開幕に向け、着々と歩を進めている。オリックスの杉本が先制打を含む2安打1打点。「凡打の内容も悪くなかったし、きょうは良かった」。その口ぶりからは、順調さがうかがえる。 右へ左へ、内角の難しいボールを打ち分けた。一回は高めに詰まりながらも右前へ適時打。「内からバットを出せればヒットゾーンに飛ぶ」。その言葉通りに、三回の第2打席でもうまくさばいて左翼線への二塁打を放った。 昨季の好成績をもたらした振り過ぎない意識は継続しつつ、キャンプでは窮屈な姿勢からティー打撃を行うなど工夫して練習。オープン戦2戦目で早くも内角対策の成果を示し、「僕にしては完璧」と言うように手応えを感じている。 周囲の期待は豪快な一発だが、「本塁打は狙っていない。自分の納得する打席にできたら」と焦る様子はない。チームを25年ぶりのリーグ優勝に導いた主砲は今年も健在だ。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕1回、先制の適時打を放つオリックスの杉本=1日、京セラドーム