スピードスケート女子で高木美帆(日体大職)は5種目に出場し、金1、銀3のメダルを獲得した。長丁場を乗り越え、日本選手団主将にふさわしい好成績を挙げた背景には、管理栄養士の村野あずささんの存在があった。  村野さんがサポートするようになったのは2017年。高木美から日々口にしたものを撮影した写真を受け取り、食習慣の助言を施した。練習や試合の前後に摂取すべき食材を提案。時に甘い物を求めたくなると聞くと、村野さんは「ケーキとかを食べてはいけないことはない。ただ、洋菓子と和菓子だったら和菓子を」と優しく促した。  18年の前回平昌五輪後は一時交流が途絶えた。「なかなか次への気持ちの切り替えは難しいんだろう」。村野さんはそっとしておいた。しばらくすると、大量の食事の写真が高木美から届く。「1カ月分とか送られてくることもあった」。北京への戦いが始まった。  今大会で高木美が村野さんの知恵を借りたのは、銀メダルに輝いた500メートル前後の食事のタイミングだった。もともと中長距離が専門の選手。「夜のレースだったので何を食べたらいいのか、始まる前は、何を意識しておくべきなのか、すぐにアドバイスをくださった」。最終種目の1000メートルを迎える頃には好物の納豆を食べるのも苦しい状況だったが、ゼリー飲料などを活用するよう提言を受けた。そして金メダルで締めくくった。  冬季五輪で日本選手最多のメダル獲得となった今大会。「食はスポーツに直結する。(村野さんは)一緒に考えていける方だったので、この北京でも最後まで一緒に戦うことができた」。高木美は実感を込めた。(時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕スピードスケートの高木美帆(左)と笑顔を見せる管理栄養士の村野あずささん(明治提供) 〔写真説明〕管理栄養士の村野あずささんの助言を受け、スピードスケートの高木美帆がつくった食事(明治提供)
情報提供元: 時事通信社
記事名:「 5種目挑戦、食で乗り切る=栄養士が高木美帆サポート〔五輪・スピードスケート〕