岩渕は最後まで果敢に攻めた。4位につけた3回目。雪の上ではやったことのない最高難度のトリプルアンダーフリップ(後ろ方向に3回宙返り)に挑戦。成功したかに見えたものの転倒し、「ちょっとだったけど回転を止め切れなかった」。メダルは逃したがベストを尽くした。 前日の予選で左手甲を骨折していたという。それでもチャレンジを恐れなかった。転倒直後に天を仰いだ岩渕の元には、各国の選手たちが駆け寄ってきた。「自分だけの挑戦と思っていたけど、転んだのにあんなにみんなが褒めてくれて。すごくうれしい」。平昌五輪からの4年間。技術だけでなく、英語力も磨いてきた。海外選手との会話が増え、大会では以前より楽しそうな表情を見せることも多くなった。まさにそれを象徴するシーンだった。 骨折をしながら滑り切った後には、奮闘をたたえ国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長から関係者を通じ時計が贈られた。今後については「まだ考えられない」と話したが、同じ4位でも平昌五輪とは違う強さをはっきりと示した。(時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕スノーボード女子ビッグエア決勝、岩渕麗楽の2回目の演技=15日、北京 〔写真説明〕スノーボード女子ビッグエア決勝、3回目の演技を終えた岩渕麗楽=15日、北京