スノーボードの女子ビッグエアで、17歳の村瀬心椛選手(ムラサキスポーツ)が銅メダルを獲得した。冬季五輪で日本女子最年少のメダリストに。「五輪でメダルを取るという小さい頃からの夢がかなった。すごくうれしい」。今季のワールドカップ(W杯)では、昨年10月のこの種目で初勝利を挙げ、年明け1月1日のスロープスタイルでも優勝と確かな成長を遂げていた。 初の五輪で最初の種目、スロープスタイルでは10位。しかし、すぐにビッグエアへ気持ちを切り替えた。攻めの滑りで予選を日本勢最高の2位で突破。負けん気の強さは誰もが認めるところ。重圧のかかりそうな決勝でも年上の選手たちを相手に強さを発揮した。 わずか13歳で賞金大会のXゲームズのビッグエアを制した。誰もが想像しない大技を決めた中学2年生が世界に衝撃を与えた。しかし、そこからは思うような結果が出せず。「優勝してうれしいという気持ちだけで終わっていた。年齢を重ね、また優勝するためには何をしたらいいかを考えるようになった」。その変化が、今季の好成績へつながっている。 常に口にするのが「格好いい滑り」という言葉。例えばジャンプなどの際に板を手で持つグラブという技。高難度のエアに目がいきがちだが、持ち方、持つ時間の長さ、持つ場所などを工夫して、自分にしかない形を表現する。この「格好よさ」が村瀬選手らしさでもあり、高得点を出せる強さにもなっている。 小学4年生から意識し始めたという五輪。平昌大会は当時13歳で年齢制限のため出場できなかった。「成績を残して日本の人にスノーボードを、自分の名前を知ってもらいたい」。4年分の思いも込めた滑り。銅メダル獲得で自分をアピールした。(時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕スノーボード女子ビッグエアで銅メダルを獲得した村瀬心椛=15日、北京 〔写真説明〕スノーボード女子ビッグエア決勝2回目の村瀬心椛=15日、北京(代表撮影) 〔写真説明〕スノーボード女子ビッグエア決勝の村瀬心椛=15日、北京(代表撮影)