日本ハムの新庄剛志監督が、1日に沖縄県で始まったキャンプで本格始動した。第1クールから練習は目的意識がはっきりしたものが多く、早くも「ビッグボス流」の形が見えている。 2日の名護市での1軍キャンプでは、脚立の上に立ったスタッフが、ひもでつないだフラフープを掲げ、その輪の中央を通すように送球する練習を実施。低く強い球をより遠くへ投げるのが目的で、良い送球には拍手をしたり、声を上げたりして見守った。 監督は身ぶり手ぶりで「フラフープの端を通ったら、これくらいの場所にそれる。ど真ん中を通らないと(捕球者は)いいタッチができないという難しさもある」と説明。ゲーム性を持たせながら正確な送球感覚を養う。杉谷拳士内野手は「いつも以上に楽しく野球ができている。意図を理解しながらできている」と充実の表情で話す。 フリー打撃では、荒れ球で知られる阪神の藤浪晋太郎投手を映したバーチャルマシンを用意。マウンドより前に置き、140キロ台中盤の速球を打たせた。藤浪を選んだのは「いろいろなところに球がいく投手で、藤浪君を打てたら誰でも怖くないという意味でも設定した」。自身が阪神時代にオープン戦で登板した映像も収録するなど、遊び心を忘れない。 練習全体の意識として強調するのは「試合のようにやること」。低いトーンで「せっかくやっているのにもったいない」と引き締めるように話す姿も見せる。昨季まで3年連続5位に終わったチームに新しい風を吹かせながら改革を進めている。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕新庄監督が考案した特設メニューに臨む日本ハムの選手たち=2日、沖縄県名護市 〔写真説明〕杉谷(中央)に指摘する日本ハムの新庄監督(左)=2日、沖縄県名護市