第94回選抜高校野球大会(3月18日開幕)の出場校が1月28日に決まった。大島(鹿児島)の最速146キロ左腕、大野稼頭央投手(2年)は、離島の奄美大島から甲子園を目指してきた。「憧れだった球場で試合ができる。悔いのないように力いっぱい出し切りたい」。思いはひときわ強い。 大島は2014年に21世紀枠で初めて選抜大会に出場したが1回戦で大敗。その試合を当時小学生だった大野も甲子園球場で観戦していた。 進学先の高校を決めるに当たり、大野は悩んだ。九州本土の私立校からも誘いがあった。決め手となったのは、中学では島内のライバル校にいた捕手、西田の言葉。「おまえとバッテリーを組んで、一緒に甲子園に行きたい」。他のチームメートも「みんな小学校から見てきた仲間」だという。 昨秋の九州大会では大野の好投が光り、準優勝。「自分のピッチングの一番の魅力は真っすぐとカーブの緩急」と語る。プロ入りを目指し、最速150キロ、平均球速アップをこの冬の目標に掲げる。紅白戦での登板後にもランニングや筋力トレーニングで追い込むなど、下半身を中心に鍛えてきた。 帽子のつばには「日本一」と力強く書かれている。「チームとしても、投手としても日本一を達成できるように甲子園で戦っていきたい」。仲間とたどり着いた夢舞台で活躍を期す。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕練習する大島の大野稼頭央投手=1月29日、鹿児島県奄美市 〔写真説明〕選抜大会出場が決まり、喜ぶ大島の選手ら=1月28日、鹿児島県奄美市の同校