- 週間ランキング
冨田:初めに、これまでの事業の変遷についてお話しいただけますか。
株式会社安永 代表取締役社長・安永 暁俊氏(以下、社名・氏名略):
当社は1923年に私の曾祖父が創業しました。伊賀で農業が盛んなこともあり、農機具等の製造・修理から事業がスタートしました。1947年ごろに家庭用ミシンアームベッドの生産に着手し、1963年には自動車エンジン部品の製造も開始しました。その後もさまざまな新しいことにチャレンジしている会社で、これまでに工作機械、ワイヤソー、検査測定装置やエアーポンプ、ディスポーザ等の生産事業などにも取り組んでいます。
2011年に私が社長に就任した後は、研究開発に力を入れています。10年以上にわたって微細加工技術を研究しており、ものすごく小さな穴を開ける技術を確立しています。この技術に関しては世界でも一番の技術だと自負しています。
この技術を使い、アルミや銅のシートに小さな穴を開けて、パソコンや携帯の中に入れるような部品の部材を作る事業を村田製作所様と開始しています。
冨田:世の中のニーズや近い業界のニーズに合わせてどんどんと新しい商品開発をしているんですね。
冨田:次に、安永社長が経営判断をする上で最も重視していることを教えてください。
安永:企業風土とマッチした事業を展開していくことを大切にしています。当社はものづくりに特化している企業ですので、サービス業などはあまり向いてないと思います。
一方で、技術に関してはこだわりを持っていて、技術的に何か大きなことを達成したいという意欲を持ったメンバーが揃っています。今後も新しい技術にはどんどん挑戦していきたいです。
冨田: カーボンニュートラルやスマートファクトリーなど様々なテーマがありますが、今後御社に関連してくるテーマにはどのようなものがございますか。
安永:やはり、モビリティの変化は大きなテーマです。特に、電気自動車の普及度には注目しています。
冨田:トヨタ自動車さんが「Woven City(ウーブン・シティ)」の取り組みを行っているように、
モビリティはスマートシティにとっても重要な要素ですね。
安永:まちづくりの領域までは取り組むのは難しいかもしれませんが、まずは移動手段としてのモビリティの発展に貢献できるよう取り組んでいきたいと思っています。
冨田:次に今後の未来の展望についても教えてください。
安永:当社はものづくりの会社であり、技術にこだわりを持っています。これまでも技術で世の中を驚かせることを目指してきましたし、将来もその姿勢は変わりません。
足元では、携帯やパソコンに搭載される新製品の開発を進めており、来年以降には徐々に市場に投入される予定です。最終的には、普段皆さんが使われている全てのデバイスに当社の製品が入っているような企業に成長したいと思っています。
冨田:なるほど、インテルのような存在ですね。
安永 :そうですね。社名が全面に出ることはなくとも、世の中の役に立つ製品を作り続けたいというのが当社の思いです。
冨田:今後、エンジン部品以外の新たな分野へ進出する構想はございますか。
安永:先程述べました様に電子部品分野への進出を検討しており、最終的には当社の事業の柱の一つとしたいと考えています。
冨田:最後に、ZUU onlineユーザーやその他の投資家の方々に一言お願いします。
安永:当社の位置している三重県の伊賀地方は「忍者の里」と呼ばれています。当社も忍者のように皆さんに知られる存在になれるよう、まずは業績の向上に注力して参りますので引き続きご支援のほどよろしくお願いします。
冨田:本日は貴重なお話をありがとうございました。