(画像=日本ハム株式会社)






小野田 加奈(おのだ かな)

日本ハム株式会社 人事部 マネージャー ダイバーシティ担当

2000年に入社し、長らく広報業務を経験した後、全社プロジェクト推進、マーケティング部署等を経て、2020年より人事部。

働き方改革やダイバーシティ推進を担う。






日本ハム株式会社


ニッポンハムグループとは

ニッポンハムグループは13の事業領域があり、様々なたんぱく質を提供する企業である。

シャウエッセンなどのハム・ソーセージ事業、石窯工房・中華名菜などの加工食品事業、鶏肉の桜姫、豚肉の麦小町などの食肉事業、鯖缶(日本のさば)などの水産事業、ロルフブランドなどのチーズ事業、バニラヨーグルトなどの発酵乳・乳酸菌事業、が代表的なブランド。

また、2023年3月に北海道ボールパークFビレッジが開業。食とスポーツを融合したエンターテイメントの提供を通じて来場者の満足度を高めていく。





ダイバーシティ経営に対する取り組み


当社は企業理念の一つとして「従業員が真の幸せと生き甲斐を求める場として存在する」と人にフォーカスしたものを掲げ、理念の側面からもダイバーシティ経営を推進しています。その実現に向けては、従業員が実力を発揮できる環境づくり、また、それぞれのライフイベントやライフステージにおいて多様な働き方を選択できる環境づくりが重要だと考えています。


そうした考えから、多様な価値観が尊重され、一人ひとりが生き生きと活躍できる職場を目指して、以前から出していた方針を2023年3月に人財戦略として改めて打ち出しました。


その戦略内で人的資本最大化実現のための3つの柱の中の1つにDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)施策をたて、推進しています。
具体的には、女性活躍推進、働き方改革、両立支援制度の充実、健康経営などの取り組みを拡大しています。




(画像=日本ハム株式会社)



ダイバーシティ経営の取り組みで苦労した点と乗り越えるための施策


そもそも当社のダイバーシティ経営の最終的な理想としては、一人ひとりが価値を最大限発揮できる働きやすい環境をつくることです。


その中で、ベースになる働き方改革の部分に関しては、まず労働時間削減に取り組み、フレックス制度や在宅勤務制度などの、生産性を高めるための働き方の選択肢を増やす取り組みをしました。


また、誰もが働きやすく、多様な人財が活躍できる環境構築のために、両立支援制度の充実に取り組みました。
ただ、これら制度導入だけでは成果が出るものではなく、仕事そのものの進め方、組織風土なども含めて、変革する必要があると考えています。


取り組みを行う前後の変化や取り組み後の反響


これまで取り組んできた離職防止策、女性管理職の母集団形成、組織風土の改革などの様々な施策の成果が徐々に表れた結果、KPIである女性管理職比率は、2030年度目標の20%以上に対して、2022年度実績は9.8%となりました。


2030年度の目標達成に向けて、2023年度目標を8%に設定していたので、前倒しで達成することができました。
育児との両立支援としては、通常より所定労働時間を短縮できるフレックス制度やリモートワーク制度等があり、ご活用いただけております。


さらに直近の取り組みとして、育児休業によるキャリアの分断への不安の声に応えて、休業前後の面談内容の充実に加え、育児休業中の研修や昇格選考への参加が可能となるよう制度を変更しました。


初年度から、実際に研修や試験への参加者もいました。こうした取り組みを継続することにより、誰もが活躍できる組織風土の醸成につながればと思います。


従業員の価値(人的資本)向上に向けて取り組んでいることやこれから取り組もうと思っていること


人的資本の最大化を通じて、従業員エンゲージメントの向上と価値創造、イノベーション創出を目指しています。
人財戦略の3つの柱(個の成長、組織の成長、DE&I)を掲げ、これに沿った施策に取り組んでいます。個人が成長すれば、組織が成長する、その基盤にDE&Iがあるという位置付けです。


DE&Iの推進においては、多様で柔軟な制度の構築だけでなく、職場の管理者層の理解とマネジメント力が重要だと感じていますので、今後は管理者層の更なる意識改革を行っていければと考えております。


理想とする組織像と従業員への期待について


当社では、求める人財像の一つとして「あくなき挑戦」を掲げています。失敗を恐れず挑戦してくことは当社グループの発展には不可欠ですし、積極果敢に高い目標を達成し、自身の成長につなげてほしいという思いからです。ただ、組織風土として根付くためには制度化し継続して行うための仕組みづくりが必要です。そこで、2021年度から従業員の目標管理制度に「挑戦」という項目を追加しました。「Vision2030」“たんぱく質を、もっと自由に。”を念頭に置いて、年度初めに1年間の挑戦に関する目標を記入してもらっています。


また、挑戦と一口に言っても、その概念は人によって異なるため、上司・部下との面談の中でしっかりとコミュニケーションを取っています。従業員の成果と達成状況を評価し、その結果を人事考課に反映するとともに、次の成長につながるアドバイスをしています。なお、「挑戦」において顕著な成果を上げた従業員を表彰する仕組みも設けており、2022年度は13人が表彰されました。


加えて、現在取り組んでいるキーワードの一つが「キャリア自律」です。これは、キャリアは会社から与えられるものではなく自ら築いていくものであり、意欲のある人にはその成長支援として学ぶ機会を提供していくという考え方です。1on1などを通じて、上司と部下の交流を促し、お互いの成長実感を確認することで、さらに成長へコミットし、パフォーマンス最大化を目指しています。


これらの実現によって、多様な価値観が尊重され一人ひとりが生き生きと活躍できるのが理想的な組織であると考えています。組織風土の醸成には時間がかかりますが、世の中の環境変化のスピードは非常に速く、それに乗り遅れることなく取り組みを進めていきたいと思います。



氏名

小野田 加奈(おのだ かな)

会社名

日本ハム株式会社

役職

人事部 マネージャー ダイバーシティ担当

情報提供元: NET MONEY
記事名:「 「“たんぱく質を、もっと自由に。” 従業員の挑戦を全力で応援する日本ハムの取り組み」