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まずは、そもそもテレワークと在宅勤務にどのような違いがあるのか、確認しておきましょう。テレワークは普段オフィスとしている仕事場を離れ、遠隔で業務を遂行する働き方全般を指す言葉です。
そのため、自宅で働くことを意味する在宅勤務は、テレワークの一種であると言うことができます。テレワークには複数の方法があり、在宅勤務もその中の一つです。
一般的に、在宅勤務とテレワークは混同して同義的に使われることもありますが、必ずしもテレワークの実施にあたっては、在宅でなければいけないという決まりがあるわけではありません。
在宅勤務では都合が悪いが、テレワークのメリットは活かしたいという場合には、他の手法も合わせて検討するといいでしょう。
続いて、現在採用されているテレワークの主な種類について解説します。多様なテレワークの実施形式を理解し、自社に最適なものを導入することをおすすめします。
1つ目は、在宅勤務です。テレワークの実践においては最もポピュラーな手法の一つで、テレワークの代名詞とも言えます。
在宅勤務の最大のメリットは、従業員への負担が少ないという点です。
オフィスワークの場合は通勤に伴う準備が必要でしたが、在宅勤務の場合は移動の負担が丸ごと解消されるだけでなく、メイクの時間なども出社時に比べて飛躍的に短縮できるので、より有意義にプライベートの時間を過ごすことができます。
通勤ラッシュに揉まれることもないため、日々のストレスを軽減し、健康的なワークライフバランスの実現に寄与します。
最近では自宅のネット環境も整備されているという家がほとんどであるため、インターネットが使えず、業務を遂行できないというトラブルも稀です。
ただ、在宅勤務によってプライベートと仕事の線引きが難しくなったり、オフィスではない場所で働くのに慣れていないと、通常よりもパフォーマンスが落ちたりといったデメリットも考えられます。
在宅勤務を実施する際には、効率よく働けるように適切なアプローチを共有することも大切です。
モバイルワークは、スマホやタブレットといったスマートデバイス、そして公共のネットワーク環境などを活用し、どこでも好きなように働ける形式を目指したテレワーク手法です。
スマホの4G・5G回線を使えばどこからでもWebサービスを利用できるのはもちろん、テザリング機能を使えばPCもインターネットに接続することができます。
最近では公共の場にWi-Fiスポットがさまざまな場所に展開されているため、無料でインターネットに接続できる環境は国内でも整備されつつあります。
自宅では集中して仕事に取り組めないという場合、公園やカフェなどに仕事道具を持ちだして業務を遂行することで、パフォーマンスを高めながらワークライフバランスを保てます。
最近ではモバイルワークの特性を活かし、「ワーケーション」と呼ばれる働き方も浸透しています。観光地やホテルなどを訪れて休暇を楽しみつつ、時間を決めて就労するという形式です。
モバイルワークが浸透することで、従業員の多様な働き方を認めるとともに、多様なライフスタイルそのものを実現する手助けもできるのが特徴です。
施設利用型勤務は、サテライトオフィスなどを設置することにより、オフィス以外の特定の施設でテレワークを実施する方法です。企業によっては本社オフィスと同等の環境を備えたサテライト型の空間を従業員に提供し、遠方の従業員の業務遂行を支援する手法を採用しています。
施設利用型勤務は会社でサテライトオフィスやスポットオフィスを用意しなければならないため、初期費用が発生するのがデメリットです。
しかしその一方で、従業員がオフィスに一極集中するのを避けながら、業務基準を満たしたネットワーク速度や、セキュリティ環境を提供できるので、高い導入効果が期待できます。
自宅で働くのが苦手という従業員もテレワークを実践することができますし、オフィスが遠くて通勤が大変、あるいは出張先での拠点探しに苦労しているという従業員にとって、安心して利用できる場所として活躍が期待できます。
テレワークには複数の実施方法がありますが、これらは手法こそ違えど、共通して発揮している強みも存在します。ここでは、テレワークや在宅勤務を導入するメリットについて、ご紹介します。
テレワーク導入の1つ目のメリットは、事業継続性の確保です。従来のオフィス型勤務体系で懸念されてきたのが、いわゆるBCP対策です。
・BCP対策(事業継続計画)とは?いまから始める策定手順とポイント解説。
災害や何らかの障害が発生した際、オフィスに業務の全てが一極集中していると、オフィスに問題が起こった時点で事業継続が困難になる可能性を抱えています。
特に中小規模の会社の場合、オフィスから会社機能が奪われた時点で、そのまま倒産へと繋がってしまうこともあり得ます。地震や火事が発生し、会社のサーバーやPCが全て破損、あるいは資料が燃えてしまった場合、保険は降りても積みあげてきた資産の蓄積は返ってこないためです。
こういった事態を避けるためにも、テレワークは非常に重要な役割を果たします。テレワークの実施にあたっては、インターネット経由で利用できるクラウドサービスの導入や、データベースのデジタル化が必須となるため、特定の場所や媒体に依存せず働ける環境を整備できます。
例えオフィスが何らかの被害を被っても、データや機能がオンライン化されていることで、大きなダメージを受けることなく事業を継続できるでしょう。従業員も自宅などに分散しているため、人的被害を被ってしまうリスクも最小限に留められます。
2つ目に、生産性の向上です。前述の通り、テレワークはオフィスへの通勤の負担を解消し、従業員が自分に合った場所で働くことができる機会を提供する新しい働き方です。
彼らがストレスを抱えることなく働けることで、これまで以上に高いパフォーマンスを発揮できる可能性があります。
また、業務遂行に伴う負担の軽減にもつながるため、少ない負担で従来通りのパフォーマンスを発揮できるといった効果も期待できるでしょう。、また、健やかに働ける環境は離職率の低下にもつながるため、人事担当者の負担軽減にも寄与するはずです。
3つ目に、人材不足の解消です。働き方改革は昨今のトレンドであるとはいえ、必ずしも全ての企業が実践しているとは限りません。
そのため、柔軟なテレワーク環境を他社に先駆けて導入することにより、優秀な人材に働きやすい環境であることをアピールして囲い込みを行えるため、スムーズにリソースの確保を進められます。
多くの企業が人材不足に悩む中、テレワークの積極的な推進は、そんな悩みを一気に解消してくれる可能性も秘めています。
テレワークの推進は多くのメリットを導入企業にもたらしてくれる一方、気をつけておくべき懸念点もあります。ここでは、そんなテレワークや在宅勤務に伴うデメリットについて主なものをご紹介します。
テレワークの1つ目のデメリットが、コミュニケーション不足です。テレワークという特性上、どうしても対面での社内コミュニケーションが難しくなってしまうため、進捗報告やフィードバックなどが大きく遅れる可能性もあります。
特に承認作業のような手続きが遅れてしまうと、今後の業務スケジュールにも大きく支障をきたす可能性があります。リモート下でもリアルタイムでコミュニケーションが取れるよう、環境をあらかじめ整備する必要があります。
2つ目のデメリットは、労務管理が困難になる点です。オフィスワークであれば統一された環境で、労働時間を一括で管理することも可能ですが、テレワークとなると時間管理や残業の対応状況が不明瞭になるため、36協定の遵守などが難しくなります。
こういった事態を回避するためにも、クラウドの労務管理システムを導入するなど、テレワーク下でも運用可能なシステム構築を進めましょう。
テレワークのもう1つのデメリットは、セキュリティリスクの高まりです。
オフィスでは充実したセキュリティ環境のもとネットワークを利用できますが、全ての家庭が安全なネットワークを備えているとは限りません。従業員が知らないうちにサイバー攻撃のリスクに晒されてしまっているケースもあるでしょう。
特に公共のWi-Fiなどはセキュリティ対策が甘いことが多いため、簡単に情報漏洩などの被害に遭ってしまいやすう恐れがあります。また、カフェや旅行先に社用PCやスマホを忘れてしまう、盗難に遭ってしまうなどのインシデントリスクも懸念のひとつです。
テレワーク実施の際には、ネットワーク環境の整備をサポートしたり社外での端末運用に関する取り決めを強化するなど、セキュリティ対策も怠らないように心がけましょう。
・テレワークのメリット・デメリットを徹底解説。成功させるポイントも紹介
今回は、テレワーク実施のメリットや、気をつけておきたいデメリットの存在についてご紹介しました。テレワークは魅力的な効果が揃っているため、積極的に導入したいところですが、事前にリスクが顕在化しないよう、準備を怠らないことが大切です。
また、オフィスワークとテレワークを業務に応じて使い分けるなど、多様な働き方を採用する風土を作り上げることも重要となります。作業労働が多い日はテレワーク、重要な会議がある日や機密事項を取り扱う際にはオフィスなど、状況に応じて最適な運用を実現しましょう。
また、テレワークや在宅勤務によって、社内コミュニケーションが不足してしまうのではないかと不安な方は、「コミュニケーションツールの活用」もぜひご検討ください。
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