オランダのフローニンゲン大学医療センター(University Medical Center Groningen)の治験責任医師であるトム・ファン・メールテン医師(Dr. Tom van Meerten)は次のように述べています。「長年にわたり、私たちは、BTKi治療歴のある患者さんのbrexu-celに対する強力で、持続的な奏効を確認してきました。高リスクのR/R MCL患者さんのアウトカムは芳しくありませんので、BTKi未治療の患者さんに対しても良好な結果が示されたことを心強く思います。ZUMA-2試験のコホート3で示された高いORRやCR、ならびに持続的なベネフィットは、brexu-celがR/R MCLに対する治療のより早期の段階で使用可能であることを示唆しています」
本抄録では、ZUMA-2試験のコホート1の5年間フォローアップデータを発表します。コホート1には、Tecartusのピボタルな投与(2×10 6 抗CD19 CAR T細胞/kg)を受け、少なくとも2つの前治療歴のある68名の被験者が登録されました。さらに、2018年に設計されたコホート2では、同じ設定で低量投与(0.5 x 10 6抗CD19 CAR T細胞/kg)について評価を行いました。しかし、コホート1のリスク/ベネフィット比は、コホート2への登録が完了する前に、最適とみなされました。コホート2の主解析では、Tecartusの投与を受けた14名の被験者(フォローアップ期間の中央値:16.0カ月(13.9-18.0))の独立画像判定委員会(IRRC)に基づくORRは93%(95%CI:66.1-99.8)、CRは64%(95%CI:35.1-87.2)、PRは29%(95%CI:8.4-58.1)でした。
ZUMA-2のどの時点においても、新たな安全性シグナルは認められず、二次性T細胞悪性腫瘍の報告もありませんでした。 テキサス大学MDアンダーソンがんセンター(The University of Texas MD Anderson Cancer Center)の治験責任医師であるマイケル・ワン医師(Dr. Michael Wang)は次のように述べています。「承認から3年以上が経ちましたが、brexu-celはR/R MCLに対して、継続した効果をもたらしています。複数の前治療歴のある集団におけるこれらの結果や両コホートでの一貫性を確認したことを心強く思います」
生命を脅かす反応を含む、CRSがTecartusの投与後に発現しています。CRSはALL患者の92%(72/78)に発現し、うちグレード3(Lee grading system による)以上は26%でした。ALL患者のうち3名が、死亡時にCRS事象を持続していました。ALL患者のCRS発現までの時間の中央値は5日(範囲:1-12日)、CRSの継続期間の中央値は8日間(範囲:2-63日)でした。