地域社会と連携しながら継続的に環境美化に取り組む全国の小・中学校を表彰

2024年12月11日
公益社団法人食品容器環境美化協会

<最優秀校>

文部科学大臣賞               鹿児島県 肝付町立岸良学園

農林水産大臣賞               福井県  福井市美山中学校

環境大臣賞                  福島県  只見町立只見中学校

特別賞 協会会長賞                    和歌山県 田辺市立本宮中

 

 清涼飲料・ビールなど飲料業界6団体で構成する、公益社団法人食品容器環境美化協会(称:食環協、会長:田中 美代子)は、本年度の「環境美化教育優良校等表彰事業」において、都道府県より推薦を受けた全国の小・中学校等(以下、小・中学校)の中から最優秀校4校、優秀校6校、優良校21校を選定し、表彰いたします。

 この表彰事業は、独創的な環境美化教育に継続的かつ熱心に取り組み、地域社会と連携しながら「公共の場所の美化」または「飲料あき容器等のリサイクル」を実践することにより、地域の環境美化に大きく寄与している小・中学校を選出し表彰するものです。

 最優秀校4校は、都道府県より推薦された中から審査委員会による厳正な審査を経て、「文部科学大臣賞」「農林水産大臣賞」「環境大臣賞」「特別賞 協会会長賞」にそれぞれ決定いたしました。

今回の最優秀校の中で、特徴的だったのが、豪雨被害を受けた町の復興に向けて立ち上がった2つの中学校の活動です。和歌山県田辺市立本宮中学校では、紀伊半島大水害で元気がなくなり沈んだ町を少しでも明るくしたいと、季節の花をプランターに植える美化活動に励みました。住民の家にも花を配る生徒の姿は、町に彩りをもたらし、地域の励みとなりました。また、福井豪雨で被災した福井県福井市美山中学校は、学校や川の堤防を親子でいっしょに清掃する取り組みを開始。地域美化に貢献する大切さを実感しながら、生徒は小学生にも声をかけ、協力して清掃を行う新たな活動に結びつけるなど、積極的な姿勢が高く評価されました。

最優秀校に決定した他の2校においても、地域の環境を守るために自分たちができることは何かを考え、児童生徒が先頭に立ってウミガメの保護活動を行ったり、新聞紙レジ袋を生徒が作製し住民の環境意識に変化をもたらしたりと、さまざまなアイデアで地域に貢献する姿が際立っていました。

本年度は、この表彰事業を開始してから25回を数える節目の表彰式典となります。開始当初と比べて、海洋プラスチックごみや気候変動問題など、世界規模での課題が深刻さを増していますが、今回、推薦された31校は、いずれも自分たちの地域を見据え、できることに挑戦し続け、足もとから着実に成果を上げています。

表彰式は2025年1月31日(金)、「浅草ビューホテル」(東京都台東区)にて最優秀校4校を招いて開催いたします。

式典では、各受賞校の活動の様子を、児童生徒、教師、地域住民などのインタビュー映像を通してご紹介する他、本年度は25回を記念し、今までの受賞校にスポットを当てた特別映像をご用意いたしました。中学生として式典に参加した生徒が、今は社会人として活躍する姿や当時の思いを振り返ってもらいながら、表彰事業の意義を広くお伝えしてまいります。

公益社団法人食品容器環境美化協会は、1973年に設立されて以来51年の間、飲料容器の散乱防止とリサイクル推進の啓発を中心とした環境美化の推進に努めてまいりました。日本の環境が美しくなることを目的として、「環境教育の支援」「ポイ捨て防止の啓発」ならびに「アダプト・プログラムの推進」などの事業を展開しています。

「環境美化教育優良校等の表彰」は、「環境美化教育の促進」および「地域の環境美化の啓発」を目的に2000年度から開始し、本年度が25回目となります。

 環境教育への取り組みが年々重要になる中で、本年度も全国の都道府県から、独創的な環境美化教育に熱心に取り組み、校内だけでなく地域社会と連携して環境美化に大きく貢献する活動の実践に努めている小・中学校等が多数推薦されました。これら各校の活動内容を、審査委員会において厳正に審査した結果、このたび4校が最優秀校、6校が優秀校、21校が優良校として選定され、表彰の運びとなったものです。

 

■本年度の各都道府県からの推薦状況

環境美化につながる散乱防止活動またはリサイクル推進活動を継続している小・中学校から都道府県が1校を推薦する方式

【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M108098/202412101398/_prw_PT1fl_OBUeeq7x.png

         

■本年度審査結果

審査委員会による審査の結果、受賞校を以下の通り決定

      

【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M108098/202412101398/_prw_PT2fl_EH2vU0zV.png

   

<最優秀校>   4校

文部科学大臣賞               鹿児島県 肝付町立岸良学園

農林水産大臣賞               福井県  福井市美山中学校

環境大臣賞                  福島県  只見町立只見中学校

特別賞 協会会長賞                    和歌山県 田辺市立本宮中学校

 

<優秀校>  協会会長賞 6校

北海道 上士幌町立上士幌小学校       山形県 酒田市立若浜小学校

新潟県 田上町立田上中学校              富山県 朝日町立あさひ野小学校

山口県 宇部市立厚南中学校                          佐賀県 鹿島市立古枝小学校

 

<優良校>  協会会長賞 21校

青森県 弘前市立豊田小学校             宮城県 石巻市立渡波中学校

秋田県 男鹿市立北陽小学校             栃木県 真岡市立大内中学校

群馬県 伊勢崎市立第四中学校           東京都 北区立滝野川第二小学校

石川県 羽咋市立羽咋小学校             山梨県 市川三郷町立六郷中学校

岐阜県 各務原市立中央中学校            静岡県 磐田市立豊田南小学校

愛知県 一宮市立萩原中学校             三重県 度会町立度会中学校

京都府 南丹市立殿田小学校             大阪府 大阪市立桜宮中学校

兵庫県 南あわじ市立沼島小学校・南あわじ市立沼島中学校

奈良県 奈良市立月ヶ瀬中学校           徳島県 鳴門市林崎小学校

高知県 室戸市立羽根小学校             福岡県 朝倉市立馬田小学校

大分県 大分市立佐賀関小学校           宮崎県 宮崎市立青島中学校

 

 

■最優秀校の活動概要                      

□文部科学大臣賞    

鹿児島県 肝付町立岸良学園    

 ウミガメが上陸・産卵する砂浜が広がる岸良海岸を校区に持つ同校では、義務教育一貫校として、独自の教科「ウミガメ科」を設けている。長年続くウミガメの保護活動では、地域とともに砂浜の巡回や採卵、卵がふ化するまでの観察記録、放流会を実施。かごしま水族館と連携協定を結び「ウミガメ学習会」を開催し、住民にも参加を呼びかけ、啓発につなげている。学年に応じたテーマを設定した調べ学習も活発で、体験や学びを通じ、生物や自然保護の意識が向上。その成果は、かごしま水族館主催「ウミガメサミット」などで発表し、広く発信。さらに、年2回、住民と共同で海岸清掃を実施、海外由来の漂着ごみ問題に目を向ける機会になっている。環境意識が高まる中、休耕田を活用したもち米栽培や花植えにも挑戦。収穫したもち米や花苗は、地域への還元として住民に販売提供、毎年楽しみにしている人たちも多い。豊かな自然を守る取り組みが地域との一体感を生んでいる。

    

□農林水産大臣賞   

福井県 福井市美山中学校    

 「ふるさと美山をきれいにしよう!」をスローガンに、地域一体となった環境保全活動に取り組む。生徒が自主的に計画し、実践しているのが最大の特徴で、中でも、長年続くのが、住民と連携したフラワーロードの整備作業。2004年の福井豪雨で地域が甚大な被害を受けたのを機に、その翌年から、同校周辺の清掃活動を開始した。地域の環境意識の高まりを受けて2023年からは、「美山クリーン大作戦」と称して、美山地区の掃除をしながらSDGsに因んだクイズを解くウォークラリーを企画、開催。生徒は回収ごみを分析し、ごみの違法投棄の現状についてポスターを作成、住民に配布して啓発活動につなげている。また、漁業組合からサクラマスの卵が提供され、育てた稚魚を足羽川へ放流するなど、川の生態系保全にも一役買っている。生徒の活動が地域活性化に直結していると住民から称賛の声が上がる中、生徒は今年度、校区の小学校を巻きこんだ新たな取り組みに挑む。

    

□環境大臣賞    

福島県 只見町立只見中学校    

 町全体が只見ユネスコエコパークに登録、ESDに力を入れている同校。2019年に実施した海での体験活動中、砂浜にプラごみが散乱する現状に触れた生徒が、海につながる川の上流に住む自分たちにできることを考え、多彩な取り組みに挑戦している。中でも、注目を集めているのが、生徒が新聞紙で手作りしたレジ袋を商店に配布し、地域で使用する活動だ。他市町村にも広がりを見せ、生徒は新聞紙レジ袋教室を開催しながら啓発活動を展開している。同時に、ペットボトル飲料を使わない日を設定する「ペットボトル・フリー・マンデー」活動も企画、家庭の冷蔵庫に貼る啓発用マグネットを作成し、地域に配布。そうした様子に刺激を受けた地域の農家は、プラスチックコーティング肥料不使用の農業を始めるなど、地域の環境美化に対する意識や行動変容につながっている。これらの取組は、県内外で行われるシンポジウムなどで発表、「Think Globally,Act Locally」を着実に進めている。

    

□特別賞 協会会長賞   

和歌山県 田辺市立本宮(ほんぐう)中学校    

 2011年に発生した「紀伊半島大水害」からの復興を目指し、地域と協働でプランターの花植えを行っている。土づくりから行い、花を植えて完成したプランターは希望する住民に配布。復興から環境美化活動に形を変えた現在は、世界遺産「熊野古道」を有する環境に着目し、地域に出向きクリーン作戦を展開している。そうした中、国内外から訪れる観光客に向けた「おもてなし」の気持ちが向上、熊野古道を快適に歩いてもらう取り組みが加速。1学年は観光客へのインタビューを通じてふるさとを知る地域学習、2学年はふるさととつながる語り部学習、3学年はふるさとを拓く英語語り部学習と、学年に応じてテーマを設定。いずれも、地域ボランティアの協力を得て行われている。生徒は、観光客に自分たちのふるさとの魅力を発信。その姿勢に感動した住民は、古紙回収で得た資金を生徒の活動資金に寄付するなど、地域一体となった取り組みに成長、生徒は郷土愛が培われている。

  

環境美化教育優良校表彰事業  https://kankyobika.or.jp/env-study-support/hyoushou

■主   催:公益社団法人 食品容器環境美化協会

■後   援:文部科学省、農林水産省、環境省

■表彰の対象:環境美化教育に独創的・継続的かつ熱心に取り組み、「公共の場所の美化」または      「飲料あき容器等のリサイクル」を実践し、地域の環境美化に大きく寄与している小・中学校、およびこれに準ずる小・中学生の団体(以下「小・中学校」)

■表   彰:

◎最優秀校   文部科学大臣賞                           1校

◎最優秀校   農林水産大臣賞                           1校

◎最優秀校   環境大臣賞                   1校

◎最優秀校   特別賞 協会会長賞                     1校

  ☆賞状と副賞を贈呈

  ☆上記の他、「優秀校」「優良校」に対し、協会会長賞として賞状と副賞を贈呈

■推薦・審査:都道府県の環境整備主管部局、または教育主管部局が推薦する小・中学校を審査委員会で審査

■審査委員:

[審査委員長]

小澤 紀美子     東京学芸大学名誉教授/公益社団法人 こども環境学会 顧問

[審査委員]

小川 晃範     公益財団法人 日本環境協会 専務理事

國分 重隆     全国小中学校環境教育研究会 顧問/明星大学 教育学部 教職担当客員教授

小島 あづさ   一般社団法人 JEAN 事務局長・副代表理事

長塚 真行     公益財団法人 日本容器包装リサイクル協会 業務執行理事 企画広報部長

波田 真由美   公益社団法人 食品容器環境美化協会 企画委員/一般社団法人 日本果汁協会 検査所長

槇林 靖典     公益社団法人 食品容器環境美化協会 企画委員/大塚製薬 株式会社 総務部 環境推進室 室長

                  (50音順 敬称略)

 

公益社団法人食品容器環境美化協会の概要

■沿革

・  1973年(昭和48年)  任意団体「食品容器環境美化協議会」として発足

・  1982年(昭和57年)  社団法人「食品容器環境美化協会」(農林水産大臣設立認可)/体制整備を図り、事業活動を強化するため公益法人化

・  2011年(平成23年)  公益社団法人「食品容器環境美化協会」(内閣府認可)/公益法人制度の改革に伴い、内閣総理大臣から公益社団法人の認定を受け、「公益社団法人」として再発足

■主な活動

○ 新しいまち美化手法「アダプト・プログラム」の普及と推進活動

○ 小・中学校でのパソコン学習支援サイト「まち美化キッズ」の運営、教育者向け「環境美化 学習ガイド」の制作提供等の次世代への環境教育支援  https://www.kankyobika.or.jp/kids/

○ 市民団体等による環境美化活動への支援

○ 「ポイ捨て防止」啓発活動

○ 散乱ごみ対策の調査・研究 等

■構成団体:

・ 一般社団法人 全国清涼飲料連合会 https://www.j-sda.or.jp/:清涼飲料水製造・販売事業者及びその関連事業者、並びにその事業発展に貢献する事業者等からなる社団法人

・ 一般社団法人 全国トマト工業会 https://www.japan-tomato.or.jp/:トマト及びにんじん等の加工製造に関係を有する個人又は団体からなる社団法人

・  一般社団法人 日本果汁協会  http://www.kaju-kyo.ecnet.jp/:果汁又は果実飲料に関係を有する事業を行う者又はこれらの者をもって組織する団体等からなる社団法人

・  日本コーヒー飲料協会:コーヒー飲料メーカーなどからなる任意団体

・  コカ・コーラ協会:日本コカ・コーラ社と全国のコカ・コーラボトリング社からなる任意団体

・  ビール酒造組合 https://www.brewers.or.jp/ :アサヒビール、キリンビール、サッポロビール、サントリー、オリオンビールのビール5社による特別認可法人

 

情報提供元: PRワイヤー
記事名:「 「第25回 環境美化教育優良校等表彰事業」最優秀校4校ほか決定