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アッヴィ合同会社
リンヴォック(R)(ウパダシチニブ)について、アトピー性皮膚炎の頭頸部病変における重症度別の有効性を示す新たな解析結果を発表
ー リンヴォック(R)(ウパダシチニブ)について、新たな事後解析により、重症度が異なる頭頸部病変を有する中等症から重症のアトピー性皮膚炎の患者さんに関して、16週時における皮膚症状の改善、かゆみの軽減および生活の質の改善に有効性を示す結果が得られた1
ー リアルワールド観察研究により、頭頸部領域にアトピー性皮膚炎がある場合、患者さんの生活の質に対して重大な影響を及ぼす可能性があること、そして、多くの患者さんが頭頸部病変を有していることが明らかに2-4
ー アッヴィの皮膚科領域ポートフォリオの拡充と強みを示したこの新規データは、アムステルダムで開催される第33回欧州皮膚科・性病科学会議(EADV)で発表予定
イリノイ州ノースシカゴ、2024年9月25日(米国時間)-アッヴィ(NYSE: ABBV)は本日、第III相試験であるMeasure Up 1試験とMeasure Up 2試験について、新たな事後解析で良好な結果が得られたことを発表しました。本解析では、中等症から重症のアトピー性皮膚炎(以下、AD)患者さんを対象に、ベースライン時における頭頸部領域病変の重症度に基づいて層別化し、16週間にわたりウパダシチニブ(15 mgまたは30 mg)の有効性をプラセボと比較し、評価しました1。
本解析においては、患者さんの各サブグループを対象に、複数の最適かつ厳格な治療目標[頭頸部領域におけるほぼ完全な皮膚症状の改善(頭頸部のEASIスコアが1未満)、ほぼ完全な皮膚症状の改善(EASI 90)、かゆみがない/ほとんどない状態(WP-NRS 0/1)および生活への影響はない状態(DLQI 0/1)]について、ウパダシチニブの投与による達成を評価しました。患者さんの層別化については、頭頸部病変がない/軽度、中等度または重度であることを層別因子としました。
コントロール不良なADである場合、患者さんの生活に身体的、心理的、社会的に大きな影響を及ぼす可能性があり、多くの患者さんが、消耗性の症状に起因して長期にわたる顕著な疾患負荷を抱えることとなります5。研究結果から、頭部、頸部、顔面、手など、特定の部位に現れるADの症状は、症状の発生頻度や患者さんの生活の質に重大な影響を及ぼし得ることが示されています2,6。リアルワールド観察研究では、UP-TAINED試験で70%、AD-VISE試験で74.5%以上のAD患者さんにおいて、ベースライン時に頭頸部病変が認められました3,4。患者さんへの影響が大きく、治療が難しい頭頸部領域において病変が認められる割合が高いことから、この領域に対する有効な治療法の必要性が高まっています。
ドイツ、フライブルク大学・皮膚性病科の部長兼教授(chair and professor at the Department of Dermatology and Venerology of the University of Freiburg)であるKilian Eyerich, M.D., Ph.D.は次のように述べています。「今回のデータは、頭頸部領域におけるアトピー性皮膚炎の重症度で層別化されていますが、この領域は患者さんに及ぼす影響が大きく、治療が難しい部位です。重症度の異なる頭頸部病変を有する中等症から重症のアトピー性皮膚炎患者さんにリンヴォックを投与した際に、16週時のEASI 90とWP-NRS 0/1を合わせた評価結果から、多くの患者さんにおいて高い治療目標が達成されたことが示されており、またDLQI 0/1に基づいて評価した生活の質にも改善が見られました。」
Measure Up 1試験およびMeasure Up 2試験について、新たな事後解析の結果、さまざまな程度の頭頸部病変を有する中等症から重症のAD患者さんにおいて、16週時に高い治療目標が達成された割合は、ウパダシチニブ(15 mgまたは30 mg)投与の患者さんの方がプラセボ投与の患者さんよりも高いことが示されました。高い治療目標とは、頭頸部領域におけるほぼ完全な皮膚症状の改善(頭頸部のEASIスコアが1未満)、生活への影響はない状態(DLQI 0/1)および最小疾患活動性[ほぼ完全な皮膚症状の改善(EASI 90)とかゆみがない/ほとんどない状態(WP-NRS 0/1)を同時に達成すること]です1:
【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M102977/202410117950/_prw_PT1fl_00jh30aE.png】
これら進行中のピボタル試験から得られた有効性および安全性の主な結果は、既に発表されています(https://rb.gy/oqscek.)。
アッヴィのvice president, global medical affairs, immunologyであるAndrew Anisfeld, Ph.D.は次のように述べています。「AD患者さんの多くは、症状の管理を行っているにも関わらず、消耗性の症状を抱えたまま生活しています。特に頭頸部など周囲の人からよく見える部位に病変があると、身体的、心理的な負担が大きくなります。今回得られたデータは、アトピー性皮膚炎患者さんが可能な限り良好な状態を目指していけるよう、標準治療のレベルを高めていくという当社の継続的な取り組みに寄与するものです。」
EADV 2024で予定されている発表のうち、中等症から重症のADに対するリンヴォック(ウパダシチニブ)の有効性および安全性を裏付ける発表には、他に以下(要旨)が含まれます。
・中等症から重症の成人および青少年のアトピー性皮膚炎患者さんを対象としたウパダシチニブとデュピルマブの有効性および安全性の比較評価:非盲検、有効性評価者盲検化、直接比較第IIIb/IV相(LEVEL UP)試験結果:本試験では、全身療法が効果不十分、または全身療法が推奨できない中等症から重症の成人および青少年(12 歳以上)のアトピー性皮膚炎患者さんを対象に、リンヴォック(15 mg 1日1回を開始用量とし、臨床反応に応じて用量を調節)とデュピルマブ(添付文書に基づく用量を投与)の有効性および安全性を比較、評価した。主要評価項目は16週時におけるEASI 90とWP-NRS 0/1の両方の達成とした7。
○ FC08.04 口頭発表、2024年9月27日16:30~16:40
・成人および青少年のアトピー性皮膚炎患者さんにおけるウパダシチニブの有効性:リアルワールド国際共同AD-VISE試験の6か月中間解析:実診療においてウパダシチニブによる皮膚症状を改善し(EASI)、かゆみを軽減する(WP-NRS)反応の有効性および持続性を評価したAD-VISE試験の中間解析を実施した。ウパダシチニブ(15 mgまたは30 mg)の投与を受けた中等症から重症の成人および青少年のAD患者さん578名を対象とした結果である3。
○ P0683 E-ポスター
・アトピー性皮膚炎の全身治療薬としてのウパダシチニブに関するリアルワールド非介入研究におけるベースライン時の基準:ガイドライン基準に基づく解析(UP-TAINED試験):UP-TAINED試験では、中等症から重症のADを有する患者さん351名の、ドイツにおける実診療でのベースライン時の来院データを含め、中間解析を実施した。その結果、ウパダシチニブの投与を受けた患者さんはドイツの全身療法に関するチェックリスト基準を満たしていることが明らかになった4。
○ P0535 E-ポスター
アトピー性皮膚炎について
アトピー性皮膚炎は、慢性で再発を繰り返す炎症性の疾患です。その特徴は、激しいかゆみの症状と掻破行動を繰り返すことで、皮膚がひび割れ、鱗状となり、滲出液が出るようになります8,9。成人の10%および青少年の24.6%がアトピー性皮膚炎に罹患すると推定されています9-11。成人患者さんのうち20%~46%が中等症から重症です12。アトピー性皮膚炎の多様な症状が、患者さんに身体的、心理的および経済的に大きな負担となることがあります9,13。
Measure Up 1試験およびMeasure Up 2試験について
Measure Up 1試験およびMeasure Up 2試験は、全身療法の候補となる中等症から重症の成人および青少年(12歳以上)のアトピー性皮膚炎患者さんにおけるリンヴォックの安全性および有効性を評価する第III相、多施設共同、無作為化、二重盲検、並行群間、プラセボ対照試験です。患者さんをリンヴォック15 mg群、リンヴォック30 mg群またはプラセボ群に無作為に割り付けました。主要評価項目は、投与開始後16週時におけるEASI 75を達成した患者さんの割合および治験責任医師によるアトピー性皮膚炎の全般的な重症度のバリデート済み総合評価(vIGA-AD)スコア0/1を達成した患者さんの割合です。プラセボ群の患者さんについては16週時にリンヴォック15 mgまたはリンヴォック30 mgのいずれかの投与に切り替えています14,15。
リンヴォック(R)(ウパダシチニブ)について
アッヴィの科学者が発見し開発したリンヴォックは選択的かつ可逆的なJAK阻害剤であり、複数の免疫介在性疾患を対象に研究が進められています。ヒトの細胞アッセイにおいて、リンヴォックはJAK1またはJAK1/3によるシグナル伝達を優先的に阻害し、その機能選択性はJAK2ペアを介してシグナル伝達を行うサイトカイン受容体よりも高いことが報告されています16。
現在ウパダシチニブ(リンヴォック)は、円形脱毛症、巨細胞性動脈炎、化膿性汗腺炎、高安動脈炎、全身性エリテマトーデスおよび尋常性白斑を対象とする第III相試験で評価されています17-22。
アッヴィについて
アッヴィのミッションは現在の深刻な健康課題を解決する革新的な医薬品の創製とソリューションの提供、そして未来に向けて医療上の困難な課題に挑むことです。一人ひとりの人生を豊かなものにするため次の主要領域に取り組んでいます。免疫疾患、がん、精神・神経疾患、アイケア、さらに美容医療関連のアラガン・エステティックスポートフォリオの製品・サービスです。アッヴィの詳細については、www.abbvie.comをご覧ください。X(旧Twitter)@abbvie、Facebook、LinkedInやInstagramでも情報を公開しています。
References:
1.Eyerich K, Mendes-Bastos P, Holzer G, et al. Efficacy of Upadacitinib in Treating Atopic Dermatitis in the Head and Neck Regions. EPoster presented at: European Academy of Dermatology and Venereology (EADV) Congress;September 25-28, 2024: Amsterdam, Netherlands.
2.Silverberg JI, et al. Patient burden and quality of life in atopic dermatitis in US adults: A population-based cross-sectional study. Ann Allergy Asthma Immunol. 2018;121(3):340–7.
3.Gooderham MJ, Pereyra-Rodriguez JJ, Sinclair R, et al. Effectiveness of Upadacitinib in Adults and Adolescents With Atopic Dermatitis: 6-Month Interim Analysis of the Real-World Multicountry AD-VISE Study. EPoster presented at: European Academy of Dermatology and Venereology (EADV) Congress;September 25-28, 2024: Amsterdam, Netherlands
4.Weidinger S, Pinter A, Weyergraf T, et al. Baseline criteria from a real world non-interventional study with Upadacitinib for the Treatment of Systemic Atopic Dermatitis: An Analysis Based on Guideline Criteria. EPoster presented at: European Academy of Dermatology and Venereology (EADV) Congress;September 25-28, 2024: Amsterdam, Netherlands
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6.Hang L, et al. The impact of eczema involving visible areas of the skin on patients’ quality of life. JEADV Clin Pract. 2022;1:105–10.
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