発行:2024年4月1日

次世代電池の実用化に向けた「硫黄系電池事業創出研究会」を設立

 住友ゴム工業(株)(社長:山本悟)は、4月1日に国立研究開発法人産業技術総合研究所を代表幹事に、株式会社ADEKAとともに次世代電池として期待されている硫黄系電池の事業創出を見据えた企業共創の場として「硫黄系電池事業創出研究会」を設立しました。また設立時に幹事機関として地方独立行政法人大阪産業技術研究所が参画します。
 当社はタイヤ製造に欠かせない硫黄に関する知見を活用してリチウム硫黄電池の重要部材である硫黄系正極活物質の技術開発を進めていますが、当研究会を通して開発をさらに加速させてまいります。

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リチウム硫黄電池の構造

 再生可能エネルギーを主要電源化した未来の社会を目指すために、電力の需給調整に活用するエネルギー貯蔵用設備の必要性の高まりとともに次世代電池の開発が活発に行われています。その中のひとつとして期待されているのがリチウム硫黄電池です。
 リチウム硫黄電池はリチウムイオン電池と比較して高いエネルギー密度を持つため、バッテリー性能の向上と軽量化を図ることができ、その構造上、発火可能性が低いのも特徴です。さらに、コバルトなどのレアメタルを電池の材料として使用せず、日本にも豊富に存在する資源である硫黄を使用することから、持続可能性の観点からも優れており安全、低コストかつ高性能な蓄電池への実用化が期待されています。
 当社は高品質なタイヤの製造(加硫※1)技術で蓄積した硫黄に関する優れた配合・加工・可視化技術を保有しています。この技術を活用し、リチウム硫黄電池の実用化に向けた研究を進めてきました。
 そしてこのたび国立研究開発法人産業技術総合研究所を代表幹事に、株式会社ADEKAとともに硫黄系電池の事業創出を見据えた企業共創の場として「硫黄系電池事業創出研究会」を設立しました。また設立時に幹事機関として地方独立行政法人大阪産業技術研究所が参画し、4月11日には本研究会の設立大会※2の開催を予定しています。
 今後、リチウム硫黄電池の重要部材である硫黄系正極活物質の技術開発と実用化に向けた取り組みをさらに加速させ蓄電池をはじめEV、ドローン、無人飛行機、空飛ぶクルマ、人工衛星などエネルギーやモビリティなどの幅広い分野における、製品性能、持続可能性の向上と環境負荷低減への貢献を目指します。

※1ゴムに硫黄を架橋剤として加え、熱を加える工程。化学反応によりゴムの分子構造を変化させ、タイヤの強度や耐久性を高める事ができる。
※2 硫黄系電池事業創出研究会 設立大会 2024年第1回研究会 −日本には、硫黄がある− (aist.go.jp)

情報提供元: PRワイヤー
記事名:「 次世代電池の実用化に向けた「硫黄系電池事業創出研究会」を設立