‐スタートアップ2社とともに、量子技術を「研究から実装」の新次元へと導く‐

2024年1月16日
早稲田大学

早稲田大学、ハードからソフトまでをつなぐ量子研究総合拠点 ‟QuRIC”を1/16に開設
‐スタートアップ2社とともに、量子技術を「研究から実装」の新次元へと導く‐

早稲田大学(東京都新宿区 総長:田中愛治)は、2024年1月16日(火)、量子技術社会実装拠点(略称QuRICキューリック 拠点長:戸川望理工学術院教授)を開設いたしまた。

QuRICは、本学グリーン・コンピューティング・システム研究機構(以下GCS機構)内の3つの研究所(次世代コンピューティング基盤研究所、量子コンピューティング研究所、アドバンスドマルチコアプロセッサ研究所)における研究成果および所属する所員、研究員を結集、総合型研究開発拠点として、基礎研究にとどまらず本格生産までを見据えた量子技術の社会実装を加速させ、多種多様な社会問題の解決に貢献してまいります。

QuRICは総合型拠点として、国内の他の量子研究拠点にはない以下の特徴と目標を有しています。
1.世界をリードするトップレベルの量子技術研究者である戸川望理工学術院教授が拠点長に就任。同じく青木隆朗理工学術院教授が副拠点長に就任し、量子ハードウェア、量子ソフトウェアの両軸で産学官の協調を強化し、社会実装をけん引します。
本拠点では量子ハードウェア/量子ネットワーク(※1)、量子ソフトウェア・アルゴリズム/量子アプリケーション(※2)の4つの分野にまたがるフルスタックの量子技術に関してシームレスな研究開発を行います。

2.さらに、戸川・青木両教授の研究成果をもとに本学から輩出したスタートアップ2社(※3)が連携して、研究開発から社会実装までを一気通貫で加速します。
本拠点はユニコーン企業への成長を支援するとともに、両社を通じてあらゆるシーンで量子技術が活用され、誰もが量子技術にアクセスできるようにすることで、社会問題の解決および量子技術人材の育成に寄与してまいります。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202401155301-O3-tj3Q8q0n

早稲田大学は、このたびのQuRICの開設により、本学発の量子技術の社会実装を通じて、わが国の量子技術イノベーションを加速させるための拠点として広く社会に認知され、政府が掲げる量子未来社会ビジョン(※4)の実現に貢献してまいります。
なお、2024年3月12日に本拠点設立記念シンポジウムの開催を予定しております。シンポジウムの詳細は、改めてご案内いたします。

■拠点長 戸川望 早稲田大学理工学術院教授からのコメント
QuRICは、ハードウェア、ネットワーク、ソフトウェア、アプリケーションに至るまで量子技術のすべてのレイヤにわたり研究開発すると同時に、いち早くこれらの技術を社会に還元することを目指した拠点です。本拠点を活用することで、量子技術の研究者だけでなく、社会のさまざまな領域・分野で量子技術の普及促進が達成され、さらに同時に未来市場を切り拓くスタートアップ企業を中心に、産学連携が強化されることを期待します。

■用語解説
※1 量子ハードウェア/量子ネットワーク
早稲田大学で創出された、世界で唯一の独自技術「ナノファイバー共振器QED」により、大規模分散化が可能な新方式の量子ハードウェアおよび量子ネットワークを研究開発し、その社会実装を推進します。

※2 量子ソフトウェア・アリゴリズム/量子アプリケーション
産業界と連携、産官学が協力しながら量子技術を応用して、物流や医療、AIなど現実のさまざまな課題の解決に役立つ量子アプリケーションを社会実装します。
さらに、多様な量子コンピュータを使いこなして現実社会の諸問題を解決する量子ソフトウェア・アルゴリズムを研究開発します。

※3 スタートアップ2社
株式会社Nanofiber Quantum Technologies
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202401155301-O1-JfJNlO86
青木隆朗早稲田大学理工学術院教授による長年にわたる学術研究から生まれた世界唯一の技術(ナノファイバー共振器QED(量子電気力学)に基づく量子コンピュータハードウェアのスタートアップ企業。研究をさらに加速させ、早稲田発の会社として世界の標準技術になることをめざしている。
2022年4月設立。
Nanofiber Qunatum Technologies | Quantum Computing Using Cavity QED (nano-qt.com)

株式会社Quanmatic
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202401155301-O2-8S6zI3dw
戸川望早稲田大学理工学術院教授の量子計算技術、量子アプリケーション技術分野における世界トップの研究シーズを核として、量子技術に誰でもアクセス可能な世界を実現すべく、量子技術と現実世界の課題解決の懸け橋となるアルゴリズムとソリューションを開発し実用化している。
2022年10月設立。
株式会社Quanmatic|量子技術に誰もがアクセス可能な世界を実現する

※4 量子未来社会ビジョン
令和4年4月22日の内閣府 科学技術・イノベーション推進事務局資料で「量子未来社会ビジョン」が掲げられた。当該ビジョンでは、「国内の量子技術の利用者を1000万人に」「量子技術による生産額を50兆円規模に」「未来市場を切り開く量子ユニコーンベンチャー企業を創出」を、2030年に目指すべき状況としている。

【早稲田大学量子技術社会実装拠点(QuRIC)の概要】
名称:早稲田大学量子技術社会実装拠点 略称QuRICキューリック
Quantum Technology Research and Implementation Center (QuRIC), Waseda University
所在地:〒162-0042 東京都新宿区早稲田町27番地
グリーン・コンピューティング・システム研究開発センター(早稲田大学40号館)内
拠点長:戸川望 早稲田大学理工学術院教授
副拠点長:青木隆朗 早稲田大学理工学術院教授
拠点規模:1485.49㎡
所属研究メンバー数:83名(2023年11月現在)
産学官研究実績:電気通信事業者,電機メーカ,IT企業など29社(2018年度~2022年度、合計)
URL:https://www.waseda.jp/inst/qri/

情報提供元: PRワイヤー
記事名:「 早稲田大学、ハードからソフトまでをつなぐ量子研究総合拠点‟QuRIC”を1/16に開設