腸内細菌由来の脂肪酸代謝産物の包括的解析に成功

第48回日本医用マススペクトル学会年会において優秀論文賞受賞

2023/9/29
https://www.noster.inc/jp/

２０２３年９月２９日

腸内細菌由来の脂肪酸代謝産物の包括的解析に成功
第48回日本医用マススペクトル学会年会において優秀論文賞受賞

　 Noster株式会社（本社：京都府向日市、代表取締役CEO：北尾浩平、以下「NOSTER」）は、慶應義塾大学 薬学部の有田誠 教授、京都大学大学院 農学研究科の小川 順教授、岸野重信准教授らとの研究論文「Comprehensive analysis of fatty acid metabolites produced by gut microbiota using LC-MS/MS-based lipidomics」について、MMS優秀論文賞[*1]を受賞し、9月9日（土)に愛知県産業労働センター ウインクあいちで開催された第48回日本医用マススペクトル学会年会で受賞講演をいたしました。

■ 受賞論文
Kowa Tsuji 1,3,4, Wataru Shimada 4, Shigenobu Kishino 5, Jun Ogawa 5, Makoto Arita 1,2,3, Comprehensive analysis of fatty acid metabolites produced by gut microbiota using LC-MS/MS-based lipidomics, Medical Mass Spectrometry “Lipidomics”, Vol. 6 No. 2 p112~125, (2022).

https://doi.org/10.24508/mms.2022.11.003

◯辻　光倭1,3,4 、嶋田　渉 4 、岸野　重信 5 、小川　順 5 、有田　誠 1,2,3
1 慶應義塾大学薬学部 創薬研究センター
2 慶應義塾大学薬学部 代謝生理化学講座
3 理化学研究所 生命医科学研究センター メタボローム研究チーム
4 Noster株式会社 R&D本部
5 京都大学大学院農学研究科 応用生命科学専攻
【画像：https://kyodonewsprwire.jp/img/202309290413-O1-IfjOTUHz】
Caption: 液体クロマトグラフィー-タンデム質量分析法を用いた、腸内細菌により産生される多様な脂肪酸
代謝物の包括的な分析

■論文概要
　腸内細菌には宿主とは異なる脂質代謝経路が存在し、多価不飽和脂肪酸から、ヒドロキシ脂肪酸やオキソ脂肪酸、共役脂肪酸、トランス脂肪酸を生成します。これらの腸内細菌が作る脂質代謝物は、宿主の受容体を介してヒトの健康にもかかわる様々な生体調節機能を果たすことが注目されています。本研究では、HYA[*2]をはじめとした多価不飽和脂肪酸代謝物45種類の標品を調製し、液体クロマトグラフィー-タンデム質量分析法を用いた標的リピドミクス法を開発しました。

■【画像：https://kyodonewsprwire.jp/img/202309290413-O2-0oz2dIYg】

 
筆頭著者　辻研究員のコメント
腸内細菌やその代謝産物を利用した創薬の実現に向けた研究の1つとして、腸内細菌由来脂質代謝物の解析を進めてきました。NOSTERでは、今回開発した解析方法を用いることにより、健常人の糞便や血液を対象とした解析を行い、腸内細菌が作り出す代謝物のNOSTER社独自のデータベースを構築しています。この解析手法とデータベースを用いたメタボローム解析はサービスとしての提供を開始しており、疾患に関与する代謝物の探索や食品の新しい機能性探索に役立てられます。

 
■注釈・参考
[*1] MMS優秀論文賞：優秀論文賞は、一般社団法人日本医用マススペクトル学会の国際誌であるMedical Mass Spectrometry（MMS）に掲載された優秀な原著論文の筆頭著者を表彰することによって、質量分析の医学応用に関する研究の推進を図ることを目的としています。
[*2] HYA ： NOSTER（ノステル）が、世界で初めて微生物合成に成功した腸内細菌によるリノール酸代謝物。10-hydroxy-cis-12-octadecenoic acid

■会社概要
名称　　　　：Noster株式会社
代表者氏名　：代表取締役 CEO　北尾浩平
所在地　　　：京都府向日市上植野町南開35-3
事業内容　　：バイオ医薬品・機能性食品の研究開発および販売
関連URL　 ： https://www.noster.inc/jp/ , https://www.noster.inc/jp/services/

本件についてのお問い合わせ先
Noster株式会社　広報担当： 赤塚
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