① BIM(Building Information Modeling)とは? BIMとは、3Dモデルに情報を付加し、設計だけでなく運用にも活用するワークフローのことです。コンピューター上に作成した3次元の建物のデジタルモデルに、コストや仕上げ、管理情報などの『属性データ』を追加することで、建築物のデータベースが生成され、それらの情報は、建築の設計、施工から維持管理までのあらゆる工程で活用できます。
② ディスプレイ業におけるBIM活⽤のメリットとは? 手がける空間がひとつひとつ異なり、建築に比べてスケールメリットの小さいディスプレイ業は、BIMの利点を感じづらく、建築分野よりも導入に遅れをとっているのが現状です。 しかし丹青社ではBIM化に注力することで、作図やプレゼンテーション等の「設計BIM」、検証や施工・工事等「施工BIM」への応用といった部分最適から、設計前の建築側とのデータ連携、竣工後の運営・維持管理までを含めた建築・内装プロセスの全体最適につながるBIMの活用が徐々に進んでいます。 明確なフロントローディングを実感できるプロジェクトや、空間全体を使ったアートワーク製作への応用など、BIMの特性を踏まえたさまざまな場面でBIMが活用されています。
③ BIM化を推進するための組織内施策。 建築・内装業の変化を見据え、丹青社は2016年にBIM導入を開始し、2022年9月にはディスプレイ業界におけるBIMを活用した最適なワークフローの確立を目指して、国内のディスプレイ業で初めて、BIMソフト「Revit®」を販売するAutodesk社(米国)と戦略的提携を発表しました。
① スモールスタートで徐々に浸透 2016年に特定の社員に対してBIMを導入し、社員のスキル向上が見られた2019年から、BIMを活用する空間分野やプロジェクト数を増加させ、2020年から3Dソフトの導入を本格拡大しました。そしてデザイナー、制作職などさまざまなメンバーで構成する全社委員会『BIM推進委員会』を立ち上げ、設計から施工まで一貫してBIMデータを活用する流れをつくりました。2021年にはデザインセンター内に専門組織『BIM推進局』が誕生し、2023年には『BIMデザイン局』としてBIM活用を進めています。
② トップからの積極発信 中期経営計画のデジタル活用の一環として、明確に「BIMの導入・活用」を掲げ、代表取締役社長をはじめとして、デザイン部門および制作部門のトップらが、社内外での発信機会の度にBIM推進について言及。『全社のミッションとして、BIMを活用していく』というメッセージを、社員をはじめとしたさまざまなステークホルダーに伝え続けています。
③ 組織横断での情報共有 社員および協力会社に向けて導入・スキルアップセミナーを実施するほか、スキルを共有するためのユーザー会議を毎月開催しています。さらに『BIM MAGAZINE』を発行して、BIMの活用事例などのナレッジを全社共有し、人材育成と知識向上につなげています。また、定期的にBIM利用に関するアンケートを実施。活用評価指標を設けてBIM活用状況を把握するとともに、意見を吸い上げることで、状況に合わせた全社のBIM推進活動に役立てています。