Science誌の編集者を含む専門の科学者らによる審査委員会が応募者のエッセイを慎重に検討した結果、第4回目となる今回はマックス・プランク研究所のSara Clasen博士がグランプリに選ばれました。 Clasen博士は炎症性腸疾患[*3]などの炎症性疾患の新たな治療法開発に繋がる研究をされており、過剰な免疫応答を引き起こすことのない腸内細菌由来のフラジェリン[*4]を発見しました。また、ファイナリストのChristoph A. Thaiss 博士は、大規模なコホート研究のデータを機械学習手法により分析し、私たちの運動意欲に関連する腸内細菌と代謝産物を見出しました。Christopher J. Stewart 博士は、未熟児の疾患リスクの低減を目指し、母乳に含まれるヒトミルクオリゴ糖が未熟児の腸内菌叢に与える影響についての研究を進めています。なお、受賞者3名のエッセイはScience本誌に掲載されており、グランプリ受賞者 には賞金25,000ドルが授与されます。受賞式は、2023年10月6日に京都で開催される予定です 。 https://www.aaas.org/news/prize-winner-shows-how-beneficial-microbes-evade-human-immune-response
注釈 [*1]米国科学振興協会:https://www.aaas.org/ American Association for the Advancement of Science(AAAS) 世界最大の総合科学協会であり非営利組織です。1848年の創立以来、万人の利益のために科学の発展に寄与することをミッションとし、 権威ある学術誌 Science及び姉妹誌を発行しています。