EY Japan株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:塚原 正彦、以下EY Japan)と公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(東京都文京区、チェアマン:島田 慎二、以下B.LEAGUE)は、 2023年1月13・14日(金・土)に茨城県水戸市において開催された「ドットエスティ B.LEAGUE ALL-STAR GAME 2023 IN MITO」(主催:公益財団法人日本バスケットボール協会 以下、JBA、公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ 以下、オールスター)の経済波及効果および社会的価値を測定・分析し、速報値を公表しました。調査では、オールスターの経済波及効果が1.2億円、ステークホルダーの一部である観戦者・周辺イベント参加者にもたらした社会的価値が1.9億円と試算されました。
EY Japanは「バスケで日本を元気に!」を掲げるB.LEAGUEとサポーティングカンパニー契約を締結し、クラブ、地域コミュニティー、地方自治体、国と連携して、地域社会の経済循環を促し社会課題解決に向けた取り組みを協働しています。本調査は、B.LEAGUEとの協業の一環として、3年ぶりに開催されたオールスターゲームにより、スポーツが地域やステークホルダーにもたらす経済的・社会的価値の測定・分析を行うものです。
B.LEAGUE チェアマン 島田 慎二氏 コメント: EY Japan様と共同で「ドットエスティ B.LEAGUE ALL-STAR GAME 2023 IN MITO」の効果を分析いたしました。プロフェッショナルな知識や経験をお持ちのEY Japan様にサポートいただいたことで実現できたこの効果分析は、われわれB.LEAGUEにとって財産となり、次のステップへの大きなヒントとなりました。今回の結果を糧として、これからもEY Japan様と協働してまいります。
EY Japanでは、スポーツを地域に社会的価値をもたらす重要なコンテンツとして捉え、スポーツの「人づくり」「コトづくり」「場づくり」「ルールづくり」を多面的に促進することで、ステークホルダー間による共創や持続的なエコシステムの構築を目指しています。他方で、スポーツが持つ素晴らしい価値に気付きつつも、周囲から理解を得られなかったり活用方法が分からないことで、その場限りの盛り上がりで終わってしまったり地域やステークホルダーからの支持を十分得られないまま終わってしまう事例が多いことも事実です。活用された場合においても、スポーツの価値が可視化されておらず、評価が曖昧となっているケースが大半です。EYは、課題解決の契機となるよう、スポーツがもたらす社会的価値の定量評価・価値向上メソッドの開発・実践を通し、ステークホルダーにフィードバックを与え、価値向上に資する共通理解および共創の促進や、スポーツへのリソース流入活性化に寄与することを目指します。
調査概要および分析アプローチについて
調査期間: 2023年1月13・14日(金・土) 調査対象: ① オールスターゲーム観戦者 ② 周辺イベント参加者 調査手法: アンケート調査 サンプル数: 約600
EY Japan は、英国マンチェスターメトロポリタン大学 井上准教授および筑波大学の協力を得て、スポーツイベントが地域やステークホルダーにもたらす社会的価値の定量評価・価値向上メソッドを開発しており、今回の調査は同メソッドを用いて実施しました。
社会的価値 本取り組みの社会的価値の測定・分析にはSROIの考え方を採用しています(速報時点では金額ベースでの報告のみ)。英国マンチェスターメトロポリタン大学 井上准教授、筑波大学の助言を得ながら、 Social Value International が提唱するThe Principles of Social Value を参照しています。まずはインパクトまでの因果関係を論理的に整理するためにロジックモデルを構築した上で調査を実施し、金額換算に向けたデータ・指標・算出方法などを含むインパクトマップを活用してインパクトの算出を実施しました。アウトカムの算出に当たって、スポーツの社会的価値を「ウェルビーイング」「ヒューマンキャピタル」「ソーシャルキャピタル」「集団的アイデンティティ」「ヘルスリテラシー」の5つと定義し、ステークホルダーが観戦・イベント参加などを通して得られたそれぞれの社会的価値をアンケート調査により測定しました。インパクトの算出に当たっては、イベントが実施されなくても得られた効果の控除や価値の継続期間を考慮するなど、過大評価に留意して精緻化を実施しています。
井上 雄平 准教授 英国マンチェスターメトロポリタン大学 経営学部 准教授 スポーツ経営学者。 2011年に米テンプル大学にて経営学の博士号(Ph.D.)を取得。メンフィス大学助教(2011 年~2014 年)、ミネソタ大学准教授(2014 年~2019 年)を経て、2019 年に渡英し、現在はマンチェスターメトロポリタン大学経営学部の准教授(スポーツマネジメント領域)。また、2023年より同学部の大学院研究課程の副ディレクターも兼任する。主な研究テーマは、スポーツを通して個人や社会のウェルビーイングを向上するための組織やイベント、プログラムのマネジメントを明らかにすること。「Journal of Business Research」、「Journal of Business Ethics」、「Journal of Sport Management」、「Sport Management Review」など経営学やスポーツ経営学の主要な国際学術誌にこれまで 50 本以上発表。また、「Sport Management Review」の副編集委員長、「Journal of Sport Management」の編集委員を務める。2016 年には、世界最大のスポーツ経営学会である北米スポーツマネジメント学会(NASSM)にて日本人初のリサーチフェローに任命された。
「ドットエスティ B.LEAGUE ALL-STAR GAME 2023 IN MITO」について 2023年1月13・14日(金・土)に茨城県水戸市(会場:アダストリアみとアリーナ)において開催され、DAY1 では、ダンクコンテスト、G-SHOCKスキルズチャレンジ、スリーポイントコンテストのほか、今年から新たに、若手選手選抜とアジア特別枠選手選抜が対戦する「B.LEAGUE ASIA RISING STAR GAME」 が開催されました。 DAY2 では、「B.LEAGUE U18 ALL-STAR GAME」および、ファン投票等で選ばれた選手が出場する 「ドットエスティ B.LEAGUE ALL-STAR GAME 2023 IN MITO」 が開催されました。また、オールスターゲームの周辺イベントとして、水戸駅北口にて「地酒で新酒祭り in水戸」、まちなか・スポーツ・にぎわい広場(M-SPO)にてパブリックビューイング、選手トークイベント、3×3 バスケ体験などが開催され、水戸の街がバスケットボールやB.LEAGUE でにぎわいました。
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