Science and Technology of Advanced Materials誌 プレスリリース
配信元:国立研究開発法人 物質・材料研究機構 (NIMS)・〒305-0047 茨城県つくば市千現1-2-1 Date: 21 February 2022
最先端材料科学研究:電池いらず、振るだけで光る交通誘導灯 (Tsukuba 21 February 2022) 水で発電、摩擦帯電ナノ発電機が100個のLEDを点灯
論文情報 タイトル:Lightweight mobile stick-type water-based triboelectric nanogenerator with amplified current for portable safety devices 著者:Kyunghwan Cha et al., 引用:Science and Technology of Advanced Materials Vol. 23 (2022) p. 161 本誌リンク https://doi.org/10.1080/14686996.2022.2030195(オープンアクセス)
Science and Technology of Advanced Materialsに、韓国、Chung-ang University(中央大学校)、Sangmin Lee教授ら、および、米国アラバマ大学バーミンガム校、Korea Institute of Technology、Yonsei University(延世大学校)の研究者らが共著発表した論文 Lightweight mobile stick-type water based triboelectric nanogenerator with amplified current for portable safety devices は、振るだけで発電できる、水をベースとした軽量コンパクトな摩擦帯電ナノ発電機の開発を報告している。 発電機は棒状で、10mlの脱イオン水、内径 25 mmのペルフルオロアルコキシアルケン(perfluoroalkoxyalkane)ポリマーチューブおよび電極からなる。この棒状の発電機を振ると、筒中の水が上下に動き、外筒ポリマーが負に、水が正に帯電する。水に帯電した正の電荷は上下蓋にもうけられた電極から取り出され、高い電気出力となる。 装置サイズ、電極間距離、水量など異なる条件で、発電実験を行い、水が動くのに十分な空間、広い電極面積が保たれた最適条件では、開回路電圧 710 V、閉回路電流 2.9 mAを達成することができた。 Lee教授は、「装置のデザイン、動作機構は単純で、小型、軽量の装置であるから、日常的な使用に役立つ。発電機の中に水を注ぎ、後は振るだけで、発電できる。」と述べている。 研究者達は、この摩擦帯電ナノ発電機は 、100個のLEDライトを点灯でき、振って合図を送る交通誘導灯に用いるのに適していること、さらに日常、広い範囲で使われる可能性があることをこの研究で示すことができた、としている。
論文情報 タイトル:Lightweight mobile stick-type water-based triboelectric nanogenerator with amplified current for portable safety devices 著者:Kyunghwan Cha, Jihoon Chung, Deokjae Heo, Myunghwan Song, Seh-Hoon Chung, Patrick T.J. Hwang, Dongseob Kim, Bonwook Koo, Jinkee Hong &Sangmin Lee* * School of Mechanical Engineering, Chung-ang University, 84, Heukseok-ro, Dongjak-gu, Seoul, Republic of Korea (E-mail: slee98@cau.ac.kr) 引用:Science and Technology of Advanced Materials Vol. 23 (2022) p. 161