― 21年17.0%、22年9.2%の成長率で、コロナ禍からの急速な回復・成長を予測 ―


電通グループ、「世界の広告費成長率予測(2021〜2024)」を発表 ― 21年17.0%、22年9.2%の成長率で、コロナ禍からの急速な回復・成長を予測 ―

株式会社電通グループ(本社:東京都港区、社長執行役員 CEO:五十嵐 博)は、世界59市場から収集したデータに基づき取りまとめた「世界の広告費成長率予測」を発表しました。 
本予測は毎年2回更新しており、今回は2021年7月発表の予測の更新となります。2021年は成長率実績の確定、2022年は予測の改定、2023年と2024年は新規予測となります。主な結果は次のとおりです。

● 2021年の広告費成長率は17.0%となり、規模は2019年水準を上回る6,825億米ドルに。
2020年の成長率はコロナ禍の影響でマイナス7.1%となったが、2021年は、7 月発表予測10.4%を大きく上回る17.0%となり、大幅な回復・成長となった。デジタル広告の成長率は29.1%となり、構成比が初めて50%を超過した。テレビ広告も、2010年以降では最高の7.9%を記録。
● 2022年もデジタルが牽引し、実質GDP成長率※を4.7%pt上回る9.2%(7,450億米ドル)を予測。デジタル広告が14.8%成長で全体を牽引することで、2022年の広告費成長率は実質GDP成長率(予測)を上回る9.2%を予測。2008年の金融危機の2年後の成長率と、コロナ禍の2年後となる2022年の成長率を比較すると約3倍となる。この要因は、デジタル広告の浸透で生活者の広告へ接点が拡大したことにより、広告市場全体の回復・成長のスピードが加速したことにあると考察。
● 世界の全地域でプラス成長。急速な成長が見込まれるのは、インド、米国、ロシア、カナダ。
2022年は、北米、アジア・パシフィック(日本含む)、西ヨーロッパ、ラテンアメリカ、中央および東ヨーロッパ、中東など、すべての地域でプラス成長の見通し。国別では、市場規模上位は、引き続き米国、中国、日本、英国、ドイツ。高い成長率が見込まれるのはインド、米国、ロシア、カナダ。
● 2023年は4.6%、2024年は5.8%と、2019年の4.1%を超える水準で推移する見通し。
デジタルは今後も世界の広告市場の成長を牽引し、2024年には構成比が約60%となる見通し。

 
<世界の総広告費の推移>
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202201276636-O3-6hU6Xy38

※実質GDP成長率(予測):2022年のG20の実質GDP成長率(予測)
出所「OECD Economic Outlook, Volume 2021 Issue 2: Preliminary version, Table 1.1 - December 2021」

■2022年の世界の広告市場動向について
2022年の第1四半期は、北京冬季オリンピック・パラリンピックの開催により、前年同期比8.9%の成長、第2、第3四半期は、11月に行われる米国中間選挙による広告支出の増加もあり、それぞれ同10.3%、10.7%の成長を予想しています。また、第4四半期は、主にFIFAワールドカップ・カタール大会などにより、同9.2%の成長を見込んでいます。
媒体別に見ると、引き続き世界の広告費を牽引するデジタルは、動画広告、コネクテッドTV、プログラマティック、eコマースなどにより14.8%成長し、2022年の広告費全体に占めるデジタルの割合は、初めてテレビの割合(26.9%)の2倍以上となる、55.5%(4,080億米ドル)を見込んでいます。マス媒体では、テレビは3.8%の堅調な成長を見込む一方で、ラジオは成長率が鈍化して2.0%となり、新聞と雑誌は減少傾向が続く見通しです。OOH(屋外/交通)とシネマは、それぞれ12.8%、23.4%の2桁成長となり、OOHは2019年の水準を上回る見通しです。
業種別で、2022年に広告費の成長を予想するのは、コロナ禍で大きな影響を受けた反動が見込まれる旅行業(10.3%)と、成長市場で継続的な需要増とコロナ禍後の人々の移動手段としての自家用車の需要が見込まれる自動車関連(7.6%)です。

■日本の広告市場動向について
2022年の日本の広告市場は、デジタル広告(7.2%)とテレビ広告(3.2%)の牽引により、3.5%の成長を予測しています。デジタルは前年に引き続きeコマースやソーシャル広告、動画広告での増加を予想しています。動画広告では、通常のテレビ番組を視聴しない世代へのアプローチとなるスマートフォン向けの広告に加え、テレビデバイスで視聴するオンライン動画を対象とする広告が注目を集め始めていることから、コネクテッドTVの伸長が期待されます。
2023年は、コロナ禍からの回復に伴って人流などが増加し、外食・各種サービスや交通・レジャー等の業種が復調すると見ています。加えて、コロナ禍で抑制されていた個人消費の揺り戻しも期待されることから、安定的なプラス成長を継続する見通しです。

<地域別成長率予測>
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202201276636-O4-777wt347】    (注)「米州」: 北米、ラテンアメリカ、「EMEA」:ヨーロッパ、中東、その他、「アジア・パシフィック」:日本を含むアジア太平洋

 
<媒体別成長率&シェア予測(全世界)>
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202201276636-O5-Y3AUpUiF

 
<世界の広告費成長率予測の概要>
世界の広告費成長率予測は、2021年12月下旬までに、米州、EMEA、アジア・パシフィックの59市場からボトムアップ型のアプローチでデータを収集し、各市場における専門的な知見を取り入れて作成しています。対象媒体は、デジタル、テレビ、新聞、雑誌、OOH(屋外/交通)、ラジオ、シネマとなります。
広告費は、交渉によるディスカウントやエージェンシー・コミッションを差し引いた金額で、現地通貨建てで提供され、全世界および地域の数値は2021年11月の平均為替レートで米ドルに換算しています。予測は半年に1度行われ、実績値と最新の予測値はすべて恒常為替レートに基づいて修正しています。

情報提供元: PRワイヤー
記事名:「 電通グループ、「世界の広告費成長率予測(2021〜2024)」を発表