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積水ハウス株式会社
世界会議でも議題に “生物多様性の回復”の重要性
11月にイギリスで開かれた国連の気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)。世界の気温の上昇幅について、「1.5度目標」を実現するために世界で努力していくことが採択されました。
一方、国連生物多様性条約(CBD)第15回締約国会議(COP15)、カルタヘナ議定書第10回締約国会合及び名古屋議定書第4回締約国会合が2021年10月と、2022年4月~5月の2回に分けて開催されます。今回の交渉では2030年までのグローバル目標が決定されることから、非常に注目が集まっています。
このように気候変動と並ぶ環境問題として世界的に危機感が高まっている生物多様性。その保全に向けて、私たち一人ひとりが生活の中で取り組めることはないのでしょうか。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202111263985-O1-W59P73ic】 【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202111263985-O2-AAPN28w3】
ニシキギにとまるアオスジアゲハ(左)実を食べにやってきたジョウビタキ(右)
自宅の庭から“生物多様性”を守る 積水ハウスの「5本の樹」計画
日本では、この数十年の間に急激な都市化が進んだことで、都市部を中心に緑が失われ、鳥や蝶などのいきものの生息地となる緑地の分断化が進んでいて、繁殖に必要となる個体数が確保できなくなるなど、生物多様性の損失につながっています。
しかも、自宅の庭やまちの緑化で植えられる木々は、見た目の美しさを重視されることから、蜜が少なかったり、実がならない品種改良されたホームセンターなどでよく見かける園芸種などが多く使われてきました。そのため都市部には、鳥や蝶などのいきものの生息場所となる、その地域の在来樹種を今後、増やしていくことが重要です。
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「緑のネットワーク」イメージ図
積水ハウスでは、「3本は鳥のために、2本は蝶のために、日本の在来樹種を」という思いを込めて、2001年から「5本の樹」計画という在来種を中心とした庭づくりをお客様にご提案しています。
この計画では、里山をお手本として、日本の原種またはその地域の在来樹種であること、品種改良していない樹種をなるべく選び、鳥や蝶がやってくる蜜のある花が咲き、実がなることや、住まい手が庭を楽しめることを基準に、お客様のお庭に植える樹木をご提案。そして、お客様のお庭が、地域の生態系の一部となり、分断されてしまった緑地をつなぐ役割を担い、「緑のネットワーク」をつくることで、生物多様性の保全につなげています。
生きものや植物と共生する庭のある暮らし
「5本の樹」計画のコンセプトをベースにまちづくりが進められた山梨県の分譲地「コモアしおつ」を新たな住まいに選んだS様ご夫婦。「リンゴの樹を植えたい。」という希望があって、鳥や蝶がたくさんやって来るような庭のある家を探されていたS様。
仕事の都合で、イギリス・ロンドンで生活したことのあるS様ご夫婦にとって、庭にさまざまな生き物がやって来て、庭で育てた果実や野菜を地域の人や家族と楽しむ暮らしは、“リタイア後の生活の理想だった“と言います。
そんなS様の家の庭先で出迎えてくれるのが、住まい選びの決め手となったリンゴの樹や、大きなヤマザクラ、ヤマモモといった「5本の樹」のコンセプトに共感して植えた在来種の樹木たち。
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キッチンから見えるカツラの樹 (左)正面のヤマザクラ(中)玄関のジューンベリー(右)
ほかにもビワやイチジク、ミカン、カボス、ジューンベリー、サンショウといった実のなる樹木もたくさん植えられています。これらの木々になる実は、料理上手な妻のH様お手製のジャムなどにして、日々の食卓を彩ります。
「実は僕は、食べられる実があれば十分です。」と笑いながら話す夫のM様。ミカンやカボス、サンショウといった柑橘系には、いい香りに誘われてアゲハチョウがやってきます。葉は、アゲハチョウの幼虫の大好物であることから、庭では、卵から幼虫・さなぎを経て、きれいな蝶となって巣立っていく様子が楽しめるといいます。
またヤマザクラやジューンベリーの実は、メジロやヒヨドリ、シジュウカラといった“庭の常連客”である鳥たちのためにも少し残しておきます。「でもジューンベリーの実はあまりに美味しそうなので、街のお祭りの際にオープンガーデンとして訪れた子どもたちにテイスティングしてもらうなど、私たち人も少しいただくこともありますね。」
鳥たちのためだけでなく、近隣の方へもおすそ分けすることで大切なコミュニケーションツールにもなってくれています。
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妻のH様お手製の庭で採れた実のジャムと自家製のフォカチャ
庭で採れたニンニクとローズマリー、リンゴで作ったジャムを添えて
さらに、旬を味わう「菜園ガーデン」も楽しむS様ご夫婦。白菜や玉ねぎ、春菊といった定番から、空心菜や日野菜、ターサイといった珍しい野菜まで栽培しています。今年はビーツづくりにも挑戦し、サラダやボルシチなどにして楽しみました。何を育てるかはすべて、お料理上手な妻のH様のリクエストなのだそうです。
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芽キャベツ 庭の北と東で、左からイチジク、ナスの跡、サツマイモの残り、 白菜と春菊等を防中網でカバー、エンドウ豆と空芯菜
「食べる楽しみを考えて、野菜は無農薬で栽培したいと思っていて…。」
ご夫婦が実践しているのが、違う種類の野菜を一緒に栽培することで、病害虫を抑えたり成長を助けたりといった、良い影響を与える組み合わせ「コンパニオンプランツ(共生植物)」。例えば、虫の付きやすいトマトとその虫が嫌がるバジル、青虫の付きやすいキャベツと、青虫を食べる虫が集まる春菊を一緒に育てることで、農薬を使わなくても病害虫を抑えることができるのです。
また、庭の木に集まる鳥たちも、病害虫を駆除する役割を担っています。例えば、シジュウカラは、1年間に約10万匹の虫を食べてくれる、無農薬栽培の強い“味方”です。お手入れの考え方も、自然にこだわり「雑草にも役割がある」と全て抜かずに、本当に他の樹木や野菜に悪影響するものだけ、手で抜いているそうです。
季節の鳥たちや旬の食べ物があふれる庭は家族のコミュニケーションの潤滑油
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自家製のライ麦パンと庭のイチジクとそのジャム
庭のミニトマトをドライにして、オリーブオイルにつけた物に、庭のイタリアンパセリを添えて
既に独立して暮らす2人の息子さんがいるS様ご夫婦。しかし、週末には、ホームパーティをするために、家族連れで集まります。そして、一緒に収穫したり、妻のH様お手製の収穫物をメインにしたメニューに、家族揃って舌
鼓を打ったり…。庭に集まる小鳥のさえずりや蝶が飛ぶ姿を楽しみながら、自分たちの手で収穫した旬の食材を味わうことで、さらに家族の会話も弾みます。
「あの鳴き声は、シジュウカラだよ。おじいちゃん!」
そう教えてくれるのは、小学生のお孫さん。ご夫婦の“鳥の先生”であるお孫さんと一緒に、庭にやってくる鳥について学ぶ時間は、お2人にとって“究極の癒しの時間”です。お孫さんが描いてくれた鳥の絵は、大切な宝物で、部屋の一番いい場所に飾っています。高校生のお孫さんも「癒されたいから遊びに来たよ」と、よく訪ねて来てくれるそうで、まさに、庭が家族間のコミュニケーションの潤滑油になっているのです。
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「鳥博士」のお孫様が描かれた絵の下でS様ご夫婦
自然の恵みを楽しみながら、人と生き物と自然が共生する生活。みなさんも自分のお庭から、健康と生物多様性について考えてみませんか。
都市の生物多様性フォーラム「5本の樹」で実現する豊かな暮らし
https://www.sekisuihouse.co.jp/gohon_sp/
視聴はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=4UGwwgmQ_PU