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○数理最適化手法を用い、感圧塗料法の後処理法として高精度のノイズ除去法を開発した。
○微小な圧力変化の計測において、従来の感圧塗料計測法に比べ、半導体圧力センサーでの計測値とのずれを 2%以内に抑える精度の高い手法を構築することができた。
○新たな手法は、圧力変化が小さく計測が困難であった鉄道車両や家電製品などに対し適用可能な手法となり得る。
■概要
科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業および東北大学流体科学研究所一般公募共同研究において、早稲田大学理工学術院の松田佑(まつだゆう)准教授、井上智輝(いのうえともき)(同大学院創造理工学研究科修士課程 1 年)、東北大学大学院工学研究科の野々村拓(ののむらたく)准教授、東北大学流体科学研究所永井大樹(ながいひろき)教授、愛知工業大学の江上泰広(えがみやすひろ)教授らの研究グループは、周囲の圧力に応じて発光強度が変化する感圧塗料(Pressure-Sensitive Paint;PSP)*1 による機器表面の圧力分布計測(PSP 計測法*2)の後処理法として、圧力分布の再構成にスパースモデリング*3を用いたノイズ除去法を開発しました。航空機や鉄道車両の安全性や燃料消費率の改善を行う上で、機器表面での気体の流れ構造(圧力分布)を詳細に把握することは非常に重要です。高速で圧力変化が大きなものにしか適用できなかった測定法が、少ない変数で効率的にデータをモデリングする新たな手法により、低速で圧力変化の小さなものにも適用可能となり得ます。これにより、機器の低騒音化やエネルギー効率の向上等、人間をとりまく環境における重要な課題への取り組みに、今後大きく貢献することが期待されます。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202107137574-O1-13793ffr】
■論文情報
雑誌名:Physics of Fluids
論文名:Data-Driven Approach for Noise Reduction in Pressure-Sensitive Paint Data Based on Modal Expansion and Time-Series Data at Optimally Placed Points
執筆者名(所属機関名):井上智輝(早稲田大学)、松田佑(早稲田大学)、伊神翼(東北大学)、野々村拓(東北大学)、江上泰広(愛知工業大学)、永井大樹(東北大学)
掲載日時(現地時間):2021 年 7 月 9 日(金)AM 9 時(東部時間)
掲載日時(日本時間):2021 年 7 月 9 日(金)PM 11 時
DOI:10.1063/5.0049071