① 触媒の写真を用いた活性の予測モデル作成 触媒は化学反応を速める物質で、 洗剤の界面活性剤の製造などに用いられています 。触媒を開発するには、触媒が化学反応を促進する効率、すなわち触媒の活性を上げることが重要です。今回、2級アミンとアルコールを反応させた時の銅触媒の微細な構造を電子顕微鏡で撮影し、活性が高かった場合、低かった場合の違いをディープラーニングを用いて学習させることで、活性を上げる構造を予測するモデルを作成しました。
② ポリエステル樹脂の化学構造式を用いたガラス転移点の予測モデル作成 プラスチック容器などの素材となる樹脂の開発では、形状に関わるガラス転移点※1を予測することが重要です。たとえば、ガラス転移点が75℃の樹脂でつくった容器に85℃のホット飲料を入れると、容器が変形してしまいます。そのため、用途に合わせて樹脂のガラス転移点をコントロールする必要があります。今回はポリエステル樹脂において、化学構造からガラス転移点を予測するモデルを作成しました。 ※1 樹脂が硬質から軟質なものへと性質を変える温度のこと