2019年7月24日



アークレイ株式会社



より多くの医療機関に、より質の高い糖尿病診療を提供

高精度・小型・高速を実現・診察中の検査結果報告を可能に

糖尿病検査装置を発売



アークレイ株式会社は、グリコヘモグロビン分析装置「ザ ラボ 001(以下、The Lab 001)」を2019年7月24日(水)に発売します。ヘモグロビンA1c※1を微細加工技術※2の応用で開発した専用の試薬カートリッジで、キャピラリー電気泳動法を用いた独自技術で測定します。大型装置と同程度の精度を有しつつ小型化・高速化を実現することで、診察中の検査結果報告を可能にし、大規模病院のみならず中小病院からクリニックまで、より質の高い糖尿病診療を提供します。





このたびアークレイ株式会社(以下、アークレイ)が発売する「The Lab 001」は、本年5月に立ち上げた医療検査システムの新ブランド「The Lab」のシリーズ第一弾となる製品です。ヘモグロビンA1cを、微細加工技術を応用して開発した専用の試薬カートリッジ「The Lab 001 A1C HD」を用いてキャピラリー電気泳動法で測定し、HPLC法※3を用いた大型装置と同程度の精度を有しつつ、小型化と測定時間90秒の高速化を実現しました。また、ヘモグロビンA1cの測定値に影響を与える変異ヘモグロビン※4の分離(検出)機能を有することで、増加する外国人患者などの多様な検体をより正確に測定することができます。

以上のことから「The Lab 001」は、同程度の大きさの装置との測定精度や速度での総合的な比較において優位性があります。なお、微量指先血(1.5μL)のみで検査ができるため、患者の身体的負担を最小限に留められます。また、常温保存が可能な使い捨てタイプの試薬カートリッジは、直接血液を点着し装置にセットするだけの簡単操作で測定を開始でき、医療従事者の作業負担を軽減します。



現在国内の糖尿病患者数は329万人に上り、糖尿病が強く疑われる人を加えると1,000 万人を超えます※5。患者の増加、高齢化が進む中、今後は糖尿病専門医とかかりつけ医との連携や、看護師・管理栄養士・薬剤師等、多職種連携での糖尿病診療の重要性が一層高まると予想されています。

企画構想から17年の月日を費やし、このたび発売する「The Lab 001」は、簡単な操作で迅速に高精度の結果を提供し、糖尿病専門医療機関のみならず、多くの医療機関での質の高い糖尿病診療に貢献します。



今後もアークレイは糖尿病検査のパイオニア企業として、より多くの医療機関でお役立ていただける検査システムの開発に努めていきます。



<主な特長>

○高精度

HPLC法を用いた最新機種(アダムス HA-8190V)と同様に、変異ヘモグロビンの分離(検出)が可能で、

より正確な検査結果を提供します。



○迅速測定

試薬カートリッジをセットしてから約90秒で検査結果を出力できるため、診察前に検査結果を確認できます。



○簡単操作

使い捨てタイプの試薬カートリッジに、指先から1.5μLの血液を点着させ、装置にセットするだけで測定が可能です。



○高いユーザビリティ

廃液が出ず、煩雑な日々のメンテナンスが不要です。また、試薬カートリッジは常温保存が可能です。





<測定原理>

キャピラリー電気泳動法

電気泳動溶液で満たしたキャピラリー(毛細管)に高電圧をかけてそこに試料を導入することで、試料中に含まれる各成分の移動速度の差を利用し分離する分析方法です。「The Lab 001」では、キャピラリー電気泳動法を応用した独自測定技術の採用により、各種ヘモグロビンの電荷差を利用して効率よく分離することができるため、高い分離能力を実現しています。



<語句解説>

※1ヘモグロビンA1c(エーワンシー)

過去1~2ヵ月の平均血糖値を反映するマーカー。赤血球中のヘモグロビンとブドウ糖が結びついて生成されます



※2微細加工技術

材料に対して、微細な突起や溝・穴などを形成する加工技術



※3 HPLC法(高速液体クロマトグラフィー法)

多くの成分からなる混合物を分離し各物質の比率を求める方法で、ヘモグロビンA1cを高精度に測定できます。アークレイは1981年に世界初のHPLC法を用いたヘモグロビンA1c専用測定装置を開発し、現在も多くの診療現場で使われています



※4変異ヘモグロビン

遺伝子変異により赤血球中に存在するヘモグロビンのアミノ酸の置換が生じ、ヘモグロビンの立体構造が変化したものです。変異ヘモグロビンの種類は数多く存在しますが、その中でよく知られているものに「HbS」「HbC」「HbE」「HbD」が挙げられます。変異ヘモグロビンの保有者は東南アジアやアフリカに多いとされますが、日本人でも2,000~3,000人に1人は変異を保有するといわれています。今後、外国人の患者の増加に伴い、検出の必要性が増えていくと予想されます



※5糖尿病患者数の推計

出典:厚生労働省「2017年患者調査の概況」より



<製品概要>

名称:グリコヘモグロビン分析装置「ザ ラボ 001」

発売日:2019年7月24日(水)

仕様

測定対象:全血

測定項目:HbA1c

使用試薬:The Lab 001 A1C HD

測定範囲:HbA1c(IFCC):20.2~151.4mmol/mol

       HbA1c(NGSP):4.0%~16.0%

測定原理:キャピラリー電気泳動法

測定時間:約90秒/検体

必要検体量:1.5μL

外形寸法:220(幅)× 326(奥行)× 298(高さ)mm

重量:約10kg

販売価格:希望納入価格1,200,000円(税別)

届出番号:25B1X00001000059

分類:クラスⅠ(一般医療機器) / 特定保守管理医療機器



情報提供元: PRワイヤー
記事名:「 高精度・小型・高速を実現・診察中の検査結果報告を可能に 糖尿病検査装置を発売