つくば国際スポーツアカデミー(Tsukuba International Academy for Sport Studies:以下、TIAS)は、ヨーロッパを代表するスポーツマネジメント大学院プログラムであるMESGO(Executive Master in Sport Governance)と共同で、3月6日(火)筑波大学文京キャンパスで「The future of Sport(スポーツの未来)」をテーマとした講義やディスカッションを開催しました。
基調講演を行った藤江陽子氏(スポーツ庁審議官)は、日本政府が推進するSport for Tomorrowの取り組みを紹介し「本日のテーマでもあるスポーツの未来を考えるときに、科学的な分析に基づく振興やスポーツの社会的な役割という意味で、大学や学術機関などが重要な役割を果たしていくと考えられ、本セッションのような交流の機会が生まれたことは非常に意義深いことと考えます」と述べました。
続いて行われた「Challenges of Japanese Sport in the Future」と題されたラウンドテーブルでは、初めに登壇した大塚眞一郎氏(国際トライアスロン連合副会長)が、国内外でトライアスロンのマーケットを拡大させることに成功した活動の内容と方法を紹介、さらにサステナビリティの取り組みである水泳競技会場の水質改善の実績に触れ、「こうした水質改善により、競技場がその後も地域の子供たちの海水浴場になるようにしたい。こうしたことはアジアで特に求められている」と述べ、スポーツを通じた社会への貢献に意欲を示されました。
高橋オリバー氏(日本コカ・コーラ株式会社東京2020ゼネラルマネージャー)は、長年にわたる同社とオリンピックとの関わりを元に、長期的な視点でのプランニングの重要性を語り、さらに2020年東京大会終了後はすぐに北京チームやパリチームに知見を渡す必要があることなど、グローバル企業ならではのノウハウも紹介されました。同氏は「2020年東京大会は60社以上のパートナー企業が参加するが、私たちは One of them ではなく Only one になろうとしており、そこむけて日夜議論をしている」と述べ、オリンピックへ向けて取り組む姿の一端を示されました。
実施内容: The Future of Sportをテーマとしたディスカッション、国内外の大学教授、競技連盟、スポーツ関連団体ならびに関連企業からのゲスト講師による講義、およびワークショップ等
3月5日(月):日本青年館ホール
3月6日(火):筑波大学東京キャンパス文京校舎
3月7日(水):公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック協議大会組織委員会
3月8日(木):公益財団法人日本サッカー協会
3月9日(金):コトブキシーティング株式会社
◆MESGO(メスゴ)とは
MESGO(Executive Master in European Sport Governance)は、2009年UEFAが中心となり設立。フランスのほか世界の8カ所を移動して、5日間9セッションの「エグゼクティブ(上級者)を対象としたスポーツマネジメントプログラム」として、プロスポーツにおけるガバナンスに関連した国際的慣行の複雑な側面や多様性を習得することによってスキルの向上を目指す組織です。プログラムはスポーツ部門の専門家のために考案されており、国内競技連盟のユニットや部門の責任者、また事務局長やボードメンバーに選出された人達など、すでにスポーツ産業で働いているプロフェッショナルを対象としています。 詳細については、http://www.mesgo.org/ をご覧ください。
◆つくば国際スポーツアカデミー(TIAS)とは
TIASは、日本政府が推進するスポーツおよびオリンピック・パラリンピックムーブメント普及のための「Sport for Tomorrow」プログラムの一環であり、政府の全面的な支援を受けています。TIASの母体である筑波大学は、アジア初の国際オリンピック委員会(IOC)委員である嘉納治五郎を前身校の学長に持ち、100年以上にわたって日本のオリンピック・ムーブメントを牽引してきました。2020年オリンピック・パラリンピック競技大会を見据え、TIASでは、世界から選出された学生と交流し、オリンピック・パラリンピック教育をはじめ、最新のスポーツマネジメント、ティーチング・コーチングなど、幅広く学ぶことができます。 詳細については、http://tias.tsukuba.ac.jp/ をご覧ください。