2018年2月26日



山形県



戦場カメラマン・渡部陽一さんが人生初の映像作品に挑戦

ものづくりを支える女性職人にフォーカスを当てた初監督作品

山形県ものづくりPR動画『ものの婦』公開

渡部さんが思わず早口になった、山形ものづくりの最前線とは!?

https://iimono-yamagata.jp/



  山形県は、県産品の魅力を伝えるPR映像として、山形県のものづくりを支える女性職人たちをテーマに描いた動画『ものの婦』を、2018年2月26日(月)14時に公開いたします。

 

動画タイトルの「ものの婦」は、山形県の「ものづくり」の現場で、日々情熱を持って、ひたむきに戦い続ける女性職人を現代社会における「武士(もののふ)」と捉え、創作した造語です。



「ものの婦」をコンセプトとする今回の動画では、戦場カメラマンの渡部陽一さんが、キャリア初の映像作品制作に挑戦。動画全体を監修する総監督だけでなく、ムービー撮影、スチール撮影、インタビュアー、題字、ナレーションも担当しました。被写体ギリギリまで近付き、被写体との会話をベースとしたジャーナリスト特有の撮影スタイルを通じて映し出されるのは、現場の息遣いが伝わってくるような臨場感、作り手の思いが詰まったこだわりの製作過程、女性職人ならではの優しく包み込むような温かい人柄、そして丁寧かつ繊細な手作業が織りなす作品の数々です。世界の戦場の最前線を取材・撮影するジャーナリストの視点から見た、山形のものづくりの最前線と、そこで戦う「ものの婦」の姿を、生き生きと描写した映像を通じて、山形県の魅力を日本のみならず、世界中の人々に発信していきます。



【画像: http://prw.kyodonews.jp/img/201802261265-O1-SlStCn57



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■制作エピソード   

◇山形県内で職人として働く5人の「ものの婦」たち

今回の動画で、渡部さんが直接職場を訪ね、取材した「ものの婦」は、100年以上続く地元の老舗に生まれ、杜氏の夫とともに完全手作業の酒造りに励む長沼合名会社の長沼真知子さん、生まれも育ちも東京でありながら、強い信念のもと、アポなしで飛塚製鋏所を訪ね、剪定鋏(せんていばさみ)職人への道をスタートさせた小木曽千鶴さん、現役最年長の手織緞通(だんつう)職人で、その道60年のキャリアを誇るオリエンタルカーペット株式会社の森谷りう子さん、ブランドのハイエンドモデルを製造する山形カシオ株式会社で、最難関の技能検定をクリアしたマイスターの資格を持つ松枝ゆかりさんと土井直美さんの5人です。



◇ムービー撮影では異例の超接近戦で「ものの婦」の素顔を映し出す

作業中にレンズを向けられた「ものの婦」たちは、渡部さん得意の“超接写”撮影に「あまりにも近くてビックリしました」「グイグイ迫ってくるのでドキドキしました」と驚いていましたが、そんな彼女たちの緊張をほぐすかのように、「おぉ、素敵です」「笑顔がバッチリ撮れました」「流れるようにスムーズな手作業にゾクゾクします」と優しく声を掛けていた渡部さん。密着取材で、それぞれの職人の個性が垣間見える映像を、見事に演出していました。



◇的確なスタッフへの指示と気遣いでベストの撮影環境を演出

人生初のムービー撮影ということで、渡部さんは最初こそ慣れない操作やカメラワークに手間取っていたものの、わずかな時間でコツをつかむと、「Bカメさん、もう少し引きでお願いします」「次はスチールに入ります」「レンズ交換します」などと注文も増え、時には大声で指示を送る場面もありました。そうした中でも、「すみません、いろいろ指示しちゃって」とスタッフへの気遣いを忘れない渡部さん。誠実な人柄が醸し出す優しいオーラが慌ただしい現場の空気を程よく和ませ、ベストの撮影環境を整えていました。



◇「ものの婦」の内なる思いを引き出す独特の優しい語り口

普段から取材相手に敬意を払い、生の声や息づかいを伝えることを大切にしているという渡部さん。インタビューでは、独特のゆっくりとした丁寧な語り口で、「職人は作ったものがすべて」「作ったものは我が子のように大切な存在」など、「ものの婦」の思いが詰まった印象的な言葉を続々と引き出していました。大勢の人々が見守るカメラの前で、自らのことを話すという特殊な状況にもかかわらず、取材された皆さんは「聞き上手で、話し上手」「本心を全部引き出された気がします」「初めて人前で話すこともありました」と、自然体で振る舞うことができた様子。渡部さんとの会話を「もっと話したかったです」「とても楽しかったです」と、満面の笑顔で振り返っていました。



■渡部陽一さん インタビュー

――映像監督のオファーが届いた時、率直にどう思いましたか?

「カメラマンとして世界中を回れば回るほど、ニッポンのことを知りたいと思うようになったんです。故郷の静岡県は、温暖な気候で、ほとんど雪も降りません。だから、いつか雪国の女性たちの地に足がついた日々の暮らしや慣習に触れてみたいという気持ちは、ずっと抱いていました。そうした中で今回、山形を取材する機会をいただき、そこで出会った人々の温かさや、他人のことを思い寄り添う愛情や、おもてなしや暮らしに向き合う厳しい姿勢、技の継承を目の当たりにして、もうとりこになりましたね。カメラマンとして自分自身がこれからどう向き合っていくべきなのか、初心というものやカメラマンとしての姿勢を整えてもらえた気がします」。

――普段のスチール写真ではなく、ビデオカメラでの映像撮影はいかがでしたか?

「スチールは瞬間的な切り口を一気に捉え上げていきますが、映像はカメラのレンズが自分の裸眼とリンクしているんだという感触を得ましたね。見たものをそのまま捉えて、時間や空間が自分の感覚とつながっていく。そんな一体感がありました。両肩と首にかけた3台のカメラを、ワイド、ロング、ミドルで使い分ける戦場報道の現場では、基本的にレンズ交換はしません。でも、今回はレンズ交換をすることで、瞬発的な時間に追われるのではなく、まるで職人さんたちの身内になったかのように、その人のリズムや気持ちをじっくりと見て、捉えて行くことができる。これが映像の醍醐味なんだと感じました」。



――山形の「ものの婦」を実際に撮影して、どんなことが印象に残っていますか?

「一番は目の動きですね。最初、カメラを脇に置いて話し出すと、優しいお母さんの目になるんです。でも、いざカメラを回し出すと、職人さんの目になる。僕は個人的に接近型の撮影が好きなんですけど、目を撮影する中で気付いたのは、一点に集中しつつも、わずか1センチぐらいの瞳の中で、カチャカチャ細かくフォーカスが動いているんですよ。その目の動きに、どの職人さんのお話の中でも出ていた、山形の『ものの婦』がその地で継承してきた、作ったものを使う人への“気配り”というキーワードが現れている気がしました」。



――「ものの婦」をインタビューするシーンは、どんな思いで臨みましたか?

「職人さんを何よりもリスペクトするのは、毎日コツコツ何十年もかけて磨き続けた技を、そこに根付かせていくことなんですね。そういう自分が決断した道をぶれずに極めていく気持ちというものは、一体どこから生まれてきて、今も整え、保っているのか。継続の力、不動の力を知りたいと、職種を問わず感じていました。お話する中で、山形の『ものの婦』は厳しさもあり、職人として向き合って行く考え方も根付いていると感じましたが、特に印象に残っているのは、私はモノを作りたかった、という非常にシンプルな言葉です。モノを作りたいから、私はここで暮らして、家族の時間を大切にしていると。僕だけでなく、日本のどの地域の方も、日常の中で本当に大切なことってなんだろう、大切にしたいと思っていることってなんだろうって考えることがあると思います。そんな不安を取り払い、温かい期待を抱かせる魅力が、山形にはたくさんあると感じました」。



——今回の撮影を通じて、山形にはどんなイメージをお持ちになりましたか?

「オリエンタルカーペットの森谷さんのような百戦錬磨の年配の方から、若くして蔵元を切り盛りする長沼合名会社の真知子さん、生まれ育った東京を飛び出して剪定鋏職人の道を選んだ飛塚製鋏所の千鶴さん、そして社内で2人しかいないマイスターとして各現場を統括し、若手の育成も担う山形カシオ株式会社の松枝さんと土井さん。山形で出会ったこの5人をはじめとする『ものの婦』たちは、“気配り”というキーワードから、しっかりと自分の技をその地に根付かせて、技の継承をけん引していました。今、日本各地で大切にしようとしている技の継承が、この山形には完全に根付いていますよね。自分が生まれ育ったニッポン、そして山形を見ることで、そうした『ものの婦』の思いや言葉、姿勢を、シンプルに伝えていきたいと思いました」。



――今回の映像をご覧になる方々にメッセージをお願いします。

「食や観光、風光明媚な景色など、山形にはたくさん見どころがありますが、僕はやっぱりその土地の人と出会うことが、旅の最大の魅力だと思います。そして、山形を知ることが、たくさんの方の思いの大きな支えになると感じています。今回僕が出会った『ものの婦』の映像から、山形の一番の魅力である、そこで暮らし、生活している方々の温かさに触れていただけたらうれしいですね」。



■渡部 陽一さん プロフィール

【画像: http://prw.kyodonews.jp/img/201802261265-O5-5s0Q3SiD

1972年9月1日生まれ、静岡県出身。

学生時代から世界の紛争地域を専門に取材を続ける。

戦場の悲劇、そこで暮らす人々の生きた声に耳を傾け、極限の状況に立たされる家族の絆を見据える。イラク戦争では米軍従軍(EMBED)取材を経験。これまでの主な取材地はイラク戦争のほかルワンダ内戦、コソボ紛争、チェチェン紛争、ソマリア内戦、アフガニスタン紛争、コロンビア左翼ゲリラ解放戦線、スーダン、ダルフール紛争、パレスチナ紛争など。



■取材先紹介

◇長沼合名会社(長井市十日町)

大正5年(1916年)創業。山形の自然の恵みの水と米を生かし、昔ながらの完全手作りにこだわった少量生産の蔵元。近年、酒質の向上が著しく、当代の次女夫婦が中心となって、「惣邑(そうむら)」「小桜」などのブランドを全国展開している。



◇飛塚製鋏所(山形市桧町)

文化元年(1804年)創業。現在手掛けている飛庄印の剪定鋏は八十数年の伝統を数え、山形を代表する伝統工芸として、一品一品手仕上げを基本とし、量産品には真似のできない、人間の感性に合った繊細な使い心地と鋭い切れ味を実現している。



◇オリエンタルカーペット株式会社(東村山郡山辺町)

昭和10年(1935年)創業。元々は農村の女性たちの雇用機会を創出するために作られた。素足の生活様式に合わせた独自の技術は、国内のみならず海外からも高い評価を獲得。日本で唯一、糸作りから、染め、織り、アフターケアまで、すべて職人による一貫生産を行っている。



◇山形カシオ株式会社(東根市)

昭和54年(1979年)創業。カシオブランド製品を世界へ提供しているグループ唯一の国内製造拠点。高価格帯モデルを中心に、限られた技能認定者のみが組み立てる「プレミアムプロダクトライン」など、テクノロジーと人の知覚を生かした高品質な時計の生産を行っている。



■動画概要

タイトル:『ものの婦』

公開日:2018年2月26日(月)14時

特設サイトURL:https://iimono-yamagata.jp/

動画URL:https://youtu.be/1I8tB6gO9Bc

音楽:花笠音頭 クラシックアレンジ



※スタッフリスト及び動画のストーリーボードについては添付のリリースをご確認いただけますと幸いです。

https://prw.kyodonews.jp/prwfile/release/M104841/201802261265/_prw_OR1fl_2RHJk7IR.pdf



情報提供元: PRワイヤー
記事名:「 戦場カメラマン・渡部陽一さんが人生初の映像作品に挑戦 山形県ものづくりPR動画『ものの婦』本日公開