2018年1月11日



トレンド総研



~「資格」と「キャリア」に関する調査レポート~

資格を取得しても仕事がない!? 急増する「資格難民」の実態を調査

医療事務、簿記、ファイナンシャルプランナー…

キャリアのプロが語る、就職できる人・できない人の差とは!?



生活者の意識・実態に関する調査をおこなうトレンド総研(東京都渋谷区)は、このたび「資格難民」をテーマに、レポートします。



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1:「資格難民」とは?

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有効求人倍率が1974年以来の高水準になるなど、求職者にとってかつてないほどの好環境にある中、有資格者の、資格を活用した就業自体は高水準に至っていません。現在、就職・転職のために資格を取得したものの、資格を活かした職業に就けていない「資格難民」たちが多数存在しています。人によっては、資格の勉強に集中するため前の仕事を辞めてしまい、その後も新しい職が見つからない、というケースもみられるようです。



そこで今回、トレンド総研では、この「資格難民」に注目し、20~30代女性500名を対象にした調査を実施。さらに、「資格難民」に陥らないためのポイントを、キャリアアドバイザーの藤井佐和子さんにお伺いしました。



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2:「資格難民」たちの意識・実態

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はじめに、「資格難民」の20~30代女性500名を対象に、「資格」と「キャリア」に関する意識・実態調査をおこないました。



<調査概要>

・調査名:「資格」と「キャリア」に関する意識・実態調査   

・調査対象:20~30代 女性500名 ※就職・転職のために資格を取得したが、資格を活かした職業に就けていない方(年代均等割付) 

・調査期間:2017年12月21日(木)~12月25日(月)

・調査方法:インターネット調査



◆「資格難民」たちは、どのように資格を取得した?

まず、「資格を取得したタイミング」について聞いたところ、「学生時代に取得した」(44%)、「仕事をしながら取得した」(35%)、「退職して勉強に専念し、取得した」(13%)などの回答が上位に。学生のときだけでなく、社会人になってから資格取得にチャレンジしたという人も多いことがわかります。



具体的な「資格取得の背景」を聞くと、「現在の仕事を何歳まで続けられるか不安になり、長く続けられそうな医療事務の資格を取った」(27歳・会社員)、「今までとは違う職種で働きたいと思い、簿記の資格を持っていると有利だと感じた」(32歳・専業主婦)、「出産・育児で働けない時期に、今後のために就職に有利な資格をと思い、ファイナンシャルプランナーの勉強をはじめた」(39歳・パート)などの回答が。医療事務、簿記、ファイナンシャルプランナーと、人によって内容はさまざまですが、それぞれ、自身のキャリアを見据えたうえで資格取得にチャレンジしている様子がうかがえます。



また、「資格取得にあたっての勉強方法」としては、「スクール」(35%)、「独学」(33%)、「通信講座」(26%)と、大きく3パターンに分かれました。



◆「資格難民」の女性たちが振り返る、「就業を見据えた資格取得」にあたって重要なことは?

将来のことを考えて勉強をおこない、見事、資格を取得した女性たち。にもかかわらず、彼女たちが資格を活かした仕事に就けなかったのはなぜなのでしょうか。



「資格取得後の就職・転職活動において難しいと感じたのは、どのような点でしたか?」と聞いたところ、「条件にあう募集が少ない」(41%)、「経験者が優遇され、未経験の場合は不利になる」(36%)、「募集人員が少ない」(21%)、「人気の仕事であり、競争率が高い」(21%)などの回答が上位となりました。せっかく資格を取得しても、さまざまな理由で、就職をあきらめざるを得なかったという人が多いようです。



そこで、「就業を見据えた資格取得にあたって重要なことは、何だと思いますか?」と質問すると、「就業までサポートしてもらえるスクール・講座を選ぶ」(41%)が最も多く、以下、「仕事を続けながら資格の勉強をする」(38%)、「就業の実績が豊富なスクール・講座を選ぶ」(31%)、「資格取得後も相談窓口があるスクール・講座を選ぶ」(23%)などの回答があがりました。資格取得だけでなく、その後の就業までを見据えた行動が重要と考える人が多いようです。



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3:専門家に聞く、「資格難民」に陥らないためのポイントは?

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さらに今回は、「資格難民」に陥らないためのポイントについて、キャリアアドバイザーの藤井佐和子さんにお話をお伺いしました。



<専門家プロフィール>

藤井佐和子 / キャリアアドバイザー 

1968年3月生まれ。大学卒業後、カメラメーカー海外営業部のOL経験を経て、大手総合人材サービス企業にて、派遣事業部、人材紹介事業部の立上げに携わる。主に女性を対象とした転職支援チームを立上げ、数多くの転職を支援。その後、独立。延べ13,000人以上のキャリアカウンセリングを行う一方、数多くの企業に対し、研修やスキーム作りなど人材育成支援を行う。その他、大学の非常勤講師、講演、キャリアセミナー、執筆など幅広く活動。



◆「資格取得」自体は、キャリア形成における大きな武器

まず大前提として、キャリアを考える際、仕事によっては資格が大きな武器になることがあります。特に専門スキルがない方などは、自身を過小評価しがちな傾向にあるのですが、資格取得をきっかけに、自分に自信が持てるようになったという人も多くいらっしゃいます。また、未経験から希望の職業を目指す場合は、資格の勉強を通じて必要な知識を前もって習得したり、本当に自分が興味を持てる分野なのかを確かめたりすることも、非常に意味があることだと思います。



◆資格取得者数とマーケットのバランスが1つのカギに

しかし、資格を武器に希望の職業に就く人がいる一方で、資格を取得しても希望の職に就けない「資格難民」の方が一定数いるのも事実です。



特に「資格難民」に陥りやすいと言われているのが、税理士や社労士といった“士業”。その大きな理由は、市場が縮小している一方で、資格取得者数は増加しており、結果的に競争率が高まっているからです。就職先がなかなか見つからなかったり、自身で開業しても仕事がなく食べていけなかったり、という人も少なくありません。



就業を見据えた資格取得の場合、その仕事のマーケットを見ておくのも重要なポイント。例えば、医療や介護の分野などは、今後、高齢化が進む日本では拡大傾向にあるため、資格を活かした仕事に就きやすいと言えるでしょう。



◆スクール・講座選びも重要…ポイントは「資格取得後のサポート体制」

そして、資格取得の方法も重要です。単に資格を取るだけであれば独学や通信講座でも十分ですが、例えば医療事務の資格を取得後、そのまま現場で働きたいなど、その後の就業を見据えている場合は、スクールや講座などのほうがおすすめ。わからないことを気軽に質問できる環境や、現場で実務経験のある講師から生の声を聞ける機会は、非常に貴重であると言えます。特に、面接の場では、就職をしてから3年後・5年後のビジョンを聞かれることも多いため、経験者の声を聞くことは、自分の将来のイメージを膨らませる上でも有効なので、歴史があるスクールや規模の大きいスクールを選ぶといいでしょう。



また、仕事や育児などをしながら資格取得を目指す上では、一緒に勉強する仲間の存在も、とても励みになるもの。勉強中はもちろんのこと、卒業後も、同じ業界で働く人脈につながっていきます。こうした意味では、講師や受講生との相性も大切なポイントになるので、もしスクールの無料体験会などがあれば、一度参加して雰囲気をつかんでおくと良いと思います。



さらに最近は、資格取得後のサポート体制を差別化のポイントとして掲げるスクール・講座も増えています。資格を取得した後、就業相談に乗ってくれる、あるいは就業に直結するスクール・講座なども登場しているので、事前に体制を確認しておくとよいでしょう。



◆教育訓練給付制度も賢く活用!

そして、資格取得を目指す際に、ぜひ覚えておいていただきたいのが、「教育訓練給付制度」。これは、働く人の主体的な能力開発の取り組みを支援し、雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的とした、厚生労働省による支援制度です。一定の要件(※)を満たした方が、医療事務、ネイリスト、ファイナンシャルプランナーといった指定講座を受講すると、かかった費用のうち20%(最大で10万円)が支給されます。詳細については、厚生労働省のホームページから確認できるので、ぜひチェックしてみてください。



※受講開始日現在で雇用保険の支給要件期間が3年以上(初めて支給を受けようとする方については、当分の間、1年以上)あること、受講開始日時点で被保険者でない方は、被保険者資格を喪失した日(離職日の翌日)以降、受講開始日までが1年以内(適用対象期間の延長が行われた場合は最大4年以内)であること、前回の教育訓練給付金受給から今回受講開始日前までに3年以上経過していることなど一定の要件を満たす雇用保険の被保険者(在職者)又は被保険者であった方(離職者)が厚生労働大臣の指定する教育訓練を受講し修了した場合に支給。(2018年1月時点)





情報提供元: PRワイヤー
記事名:「 資格を取得しても仕事がない!? 急増する「資格難民」の実態を調査