贈与税の確定申告書を初めて作成する方が押さえておくべきポイント 税率ごと速算表と注意点も解説
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所得税の確定申告書の提出件数は2,200万件を超えているのに対し、贈与税の申告書の提出件数は約50万件と、所得税に比べ申告書を作成したことがある人は少ないです。

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ただ贈与税も所得税と同様、申告義務がある人が手続きをしない場合、後日税務署から指摘される可能性がありますので、今回は贈与税の申告のしかたについて解説します。

贈与税の申告書ってあまり書くことがありません

贈与税は財産をもらった人が申告する税金

贈与税は、個人から財産をもらった人(受贈者)が申告する税金です。

個人間で行われた贈与が対象で、法人から贈与で財産を取得した場合、贈与税ではなく所得税が課税対象になります。

「贈与」は、相手から財産等を無償で取得することをいい、お金や不動産だけでなく、借金の返済を免除してもらうなど、経済的利益を受けた場合も贈与を受けたことになるので注意してください。

受贈者が1月1日から12月31日までの間に取得した贈与財産の合計額に対して贈与税が課されることになりますが、贈与税には110万円の基礎控除額があります。

贈与で財産を取得したとしても、贈与金額の合計が110万円以内であれば贈与税はかかりませんし、申告手続きも不要です。

贈与金額が基礎控除額を超えた場合には申告手続きが必要になりますが、贈与税の特例制度を適用することで贈与税を非課税にできるケースもあります。

贈与税の申告期間は翌年2月1日から3月15日

贈与税の申告期間は、対象年分の翌年2月1日から3月15日の1か月半で、所得税よりも半月ほど早く確定申告期間がスタートします。

贈与税の申告書は、申告時点で住んでいる場所を管轄する税務署に提出することになるので、贈与を受けた後に引っ越しした方は提出先の税務署誤りに注意してください。

贈与税の納期限は申告期限と同じ3月15日で、自主的に納税を済ませなければなりません。

住民税などの税金は地方自治体等から納付書が送付されますが、贈与税は申告書を提出しても税務署から納付書は送付されませんので、贈与税の支払漏れに気を付けてください。

納付書は送付されないので贈与税の支払漏れに注意しよう

贈与税の計算方法

贈与税額は、

贈与金額の合計から110万円差し引いた課税対象額に税率を乗じて算出します。

贈与税(暦年課税)の税率は「一般税率」と「特例税率」の2種類あり、18歳以上の受贈者が直系尊属(親や祖父母など)から財産の贈与を受けた場合、特例税率で税額計算を行います。

一般税率は、特例税率の対象にならない方が適用する税率です。

受贈者の年齢は贈与を受けた年の1月1日において判断しますので、贈与を受けた年に18歳に達した方は、その年の1月1日時点では17歳となるため、節税を意識する際は贈与時期も考慮しなければなりません。

なお、受贈者の年齢基準は令和4年3月31日まで「20歳」でしたが、成人年齢の引き下げにより現在の年齢基準は「18歳」になっています。

【贈与税の特例税率の速算表】

基礎控除後の課税価格

税率

控除額

200万円以下

10%

400万円以下

15%

10万円

600万円以下

20%

30万円

1,000万円以下

30%

90万円

1,500万円以下

40%

190万円

3,000万円以下

45%

265万円

4,500万円以下

50%

415万円

4,500万円超

55%

640万円

【贈与税の一般税率の速算表】

基礎控除後の課税価格

税率

控除額

200万円以下

10%

300万円以下

15%

10万円

400万円以下

20%

25万円

600万円以下

30%

65万円

1,000万円以下

40%

125万円

1,500万円以下

45%

175万円

3,000万円以下

50%

250万円

3,000万円超

55%

400万円

贈与税の特例制度を適用する際の注意点

贈与税の特例制度は申告書に特例を適用する旨を記載しなければならず、特例を利用する際は贈与税の納税額の有無に関係なく、申告書を提出することが求められます。

特例制度にはそれぞれに適用要件が定められており、たとえば贈与税の配偶者控除(通称:おしどり贈与)は最高2,000万円まで非課税になる特例ですが、婚姻期間が20年以上の夫婦しか適用できません

相続時精算課税制度は、贈与財産が2,500万円までであれば贈与税は課されなくなる制度ですが、贈与者が亡くなった際に贈与財産が相続税の課税対象になります。

贈与税の特例制度の例外として、「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度」および、「結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度」は、税務署ではなく金融機関で手続きする制度です。

申告時期を誤ると特例制度が受けられませんので、事前に申告時期および適用する特例制度の要件を確認してください。

特例制度を受ける際には条件と手続きについてよく確認しよう

贈与税の納付方法

贈与税の納付方法は以下の種類が用意されており、どの方法で贈与税を支払っても問題ありません。

<贈与税の納付方法>

  • 所轄税務署の窓口で納付

  • 金融機関で納付

  • コンビニ納付(QRコード・バーコード)

  • クレジットカード納付

  • スマホアプリ納付

  • ダイレクト納付

  • インターネットバンキング等による納付

税務署の窓口に申告書を提出される方は、申告書を提出した流れで窓口納付することが可能です。

ただし、税務署の相談会場が税務署以外の場所のケースや、閉庁日の税務署相談においては、窓口納付ができないことがあるので注意してください。

窓口納付以外にも、コンビニで税金の支払いができる「コンビニ納付」や、「クレジットカード納付」などありますが、所得税等で利用できる振替納税は贈与税では利用することができません

贈与税の申告準備はお早めに

贈与税の申告をする機会は限られていますので、ほとんどの方は初めて申告書を作成することになります。

税務署はだれが申告書を作成したかを問わず、すべての申告内容をチェックしますし、申告漏れや計算誤りがあれば税務調査で指摘され、加算税・延滞税といった税金を支払うことになりかねません。

申告期限が近くなるとどの税務署も混雑しますので、贈与税の申告が必要になる方は早めに準備してください。

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情報提供元: マネーの達人
記事名:「 贈与税の確定申告書を初めて作成する方が押さえておくべきポイント 税率ごと速算表と注意点も解説