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女性と比べると短期間での取得となりやすい男性育休ではありますが、女性同様に社会保険料の免除制度があります。
ただし、給与と賞与では取り扱いが異なります。
法改正前(2022年9月30日まで)は、月末に1日だけ取得していれば、その月に支給される給与も賞与も社会保険料は免除されていました。
しかし、2022年10月1日以降、賞与については育児休業の期間が1か月超の場合に限り、免除されることとなっています。
なお、1か月超の育児休業は月末時点に育児休業を取得しているか否かで保険料の免除を判断するため、育児休業の期間が月末に含まれる月に支給される賞与にかかる保険料を免除することとなります。
誤解がないように注意したい部分です。
まずは健康保険において確認しましょう。
免除とは端的には社会保険料がかからないことを指しますが、これは被保険者だけでなく、会社負担分も同様に免除されるということです。
よって一定期間以上の育休取得は、会社にとってもメリットがあると言えます。
また、病院にかかる際に必須となる被保険者証について、免除期間であったとしても使うことは何ら問題ありません。
次に厚生年金について確認しましょう。
端的には、免除によって保険料を納めていなくとも、年金額が減額されることはありません。
言い換えると、保険料を納めている期間と同等に扱われることとなるため、不利益は生じ得ません。
もちろん社会保険に加入していない場合は免除以前に「被保険者」ですらありませんので、免除制度の活用対象とはなりません。
他方、雇用保険に加入していれば育児休業給付金の対象となります。
これは性別を問わず、一定の雇用保険加入期間等を満たしていれば、ハローワークから直接育休取得者の希望する金融機関口座に入金されます。
また、非課税給付であることから所得税の対象ではありません。
また、社会保険料免除制度や育児休業給付金は、退職してしまうと当然活用することはできません。
特に育児休業給付金は職場への復帰が前提ですので、当初から退職することが明らかであるにも関わらず受給することはできません。
例えば国民年金法では、第1号被保険者を対象に産前産後休業期間中の保険料免除制度があります。
この制度を活用したとしても、年金額の減額はありません。
例えば妊娠を契機に職場を退職し、国民年金第1号被保険者となる場合は忘れずに活用したい制度です。
また、産前産後休業期間中の保険料免除制度を受けている期間であっても、国民年金を増額させる選択肢のひとつである付加保険料(400円)は継続して納めることができます。
育児休業は一生の間に何度も機会が訪れることもなく、性別を問わず活用できる制度です。
育児休業は育児介護休業法を始め、社会保険諸法令等多くの法律にまたがっており複雑な制度ではありますが、多くの法改正を経て、よりよい制度に近づいていることは確かです。
また誤解がある部分として、役員等、労働者ではない場合は、育児休業の取得はできませんので、制度上活用できないもの(例えば育児休業中の社会保険料免除制度)がある点には注意が求められます。(執筆者:社会保険労務士 蓑田 真吾)
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