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現在は、空き家を相続した場合、不動産登記簿の名簿を変更する「相続登記」を行わなくても不利益を被ることが少ない為、登録名義人を変更していない場合もあります。
今は、特に過料などありませんが、空き家問題を解決する一環として、令和6年4月1日から、「相続等による所有権の移転の登記申請の義務化」が施行されます。
施行されると、自己のために相続開始、及び所有権を取得したことを知った日から3年以内に所有権の移転の登記を正当な理由なく、行っていない際には、10万円以下の過料が課されることがあります。
施行日前に、相続が発生し、その際に相続登記を行っていない方は、施行日から3年以内に登記の申請をする必要があります。
空き家を相続しても、相続登記を気にしていない方も多いのではないでしょうか。
しかし、過料が課されるとなると話は別です。
相続登記をするために、空き家となる家を誰が相続するかを親族で話し合う必要があります。
過料を科される前に、誰が相続するかを決め、相続登記をきちんと行いましょう。
相続登記に関しては、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。
家が良い状態ならば、そのまま不動産会社に売却などの相談をすることができますが、市区町村が行っている空き家バンクに登録して、買い手や借り手を募集する方法もあります。
空き家バンクは自治体に設置されており、
という制度です。
十和田市の空き家バンクを1例としてご紹介します。
空き家バンクに登録し売買や賃貸を行いたい方は、まず、登録申請書などを市に提出します。
市は、空き家バンクの協力業者である市に登録している宅建業者に申請内容を情報提供します。
協力業者が空き家の調査を行い、申請した方と話し合い、お互いに合意した仲介契約を締結します。
その後、空き家バンクに登録となり、空き家の情報が市のホームページなどで公開されます。
売買や賃貸の契約も協力業者が契約を仲介します。
空き家バンクの利用自体にお金はかかりません。
しかし、売買などの契約締結時には協力業者に仲介手数料を支払う必要があります。
また、十和田市の空き家バンクで、売却や賃貸をした方に5万円の奨励金もあります。
空き家バンクのメリットは、無料で登録できる点や、登録した自治体が全国版の空き家・空き地バンクに登録していれば、そちらからも検索してもらえる点です。
また、空き家バンクを利用し、売主や買主に等になった方に補助金が出る場合もあります。
空き家バンクに登録した空き家に引っ越しする費用やリフォームの費用の1部補助があります。
リフォーム工事の補助金額 対象工事費の2分の1以内で、50万円限度
引っ越し費用の補助金額 引っ越し経費の2分の1以内で、10万円限度
この場合では、売主や買主などに、リフォームや引っ越しなどの補助が出る点も、空き家バンクを利用する大きなメリットと言えます。
参照:十和田市「空き家バンク【パンフレット】令和5年度十和田市空き家バンク(pdf)」
デメリットは、必要書類が多いことや、自治体によっては売主と買主などが直接交渉しなければならない点です。
さらに、知名度がいまひとつな点も弱点と言えます。
他にも、前橋市では空き家を地域のコミュニティスペースなどの「まちづくりの活動拠点」として活用する場合は、必要となる改修工事の費用が補助されます。
例えば、空き家を地域住民が集い、囲碁や手芸などのサークル活動を行う場所として活用するのに必要な改修工事費等が補助の対象になります。
「空き家に住む人がいないので、地域の為に活用したい、活用してもらいたい」
と思われる方は、この制度を利用されることをおすすめします。
この制度を利用すると、空き家になってすたれていく家が、当時の趣を持ちながら活気を保つことができます。
思い出の詰まった家を寂しくそのままにしておくのではなく、活用していくことも1つの保存方法です。
法人での申請も可能ですので、地域活性化に興味のある法人と一緒にすすめていくのも良い方法です。
空き家を相続した場合に、まず行うことや空き家の活用方法をご紹介しましたが、他の人に使ってもらう方法や地域に利用してもらう方法がありました。
空き家を放置していても、良いことは起こりません。
きちんと誰が相続したのかをはっきりさせ、活用していくことが重要です。
思い入れのある家をそのままにして、朽ちさせるのではなく、新たな形で利用すれば、長く地域に残っていきます。
大切な方から相続した家がつなぐ縁で、新たなつながりや思い出を得ることができます。
家は、人が使わないとすぐに古くなっていくと言われています。
空き家を空き家のままにするのではなく、新たに活用していけるよう早めのご検討をおすすめします。(執筆者:現役老人ホーム施設長 佐々木 政子)
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