- 週間ランキング
【住民税決定通知書】ふるさと納税が控除されてない? 要因と状況に応じた対処法
2019年4月に、ふるさと納税の返礼割合が「3割以下」へ改正されたのは、記憶に新しいでしょう。
しばらくは大きな変更もなく利用できていましたが、ふるさと納税の時期指定に向けて、6月27日付けで新たに見直し・改正が行われました。
主な改定内容は以下です。
・募集に要する費用について、ワンストップ特例事務や寄附金受領証の発行などの付随費用も含めて寄附金額の5割以下とする(募集適正基準の改正)
・加工品のうち熟成肉と精米について、原材料が当該地方団体と同一の都道府県内産であるものに限り、返礼品として認める(地場産品基準の改正)
参照:総務省 令和5年6月27日 ふるさと納税の次期指定に向けた見直し
ふるさと納税に係る指定制度の運用についてのQ&Aについて(通知)
簡潔に言うと、
というものです。
ふるさと納税には、寄付金額に対して
「返礼品は3割以下・経費は5割以下」
というルールを定めています。
しかし実際には、受領証の発行や送付など、ルールに該当しない“隠れ経費”と呼ばれるものが存在します。
また、地場産品についても、これまでは加工・製造の主要部分を自治体で行っていれば返礼品として認められました。
しかし今後は、ふるさと納税の趣旨に沿うよう、原材料の生産地についての基準も見直しされます。
今回の改正により、隠れ経費分の増額と、返礼品として認められる地場産品が厳格化されます。
今後は、5割ルールにカウントされ増えた経費が圧迫し、返礼割合が減る可能性も少なくありません。
返礼品に充てられる割合が減ることで、実質値上げへ。
返礼品として認められる地場産品の対象が狭まれば、選べるお礼の品は大幅に減るでしょう。
必要な改定なのでしょうが、私たち寄付する側としても、決して無視できない改定です。
厳しい物価高が続く中、ふるさと納税の返礼品で家計の節約につなげている方は少なくないでしょう。筆者もその1人です。
改正により実質値上げの可能性が高い今、2023年ふるさと納税をどう活用すれば良いのでしょうか。
筆者が考えた、お得に活用する戦略は以下です。
ふるさと納税は年末のかけこみ時期に、緊急支援品や増量などのお得な返礼品がたびたび登場します。
しかし、改正が行われる2023年、年末まで寄付するのは待つわけにはいきません。
値上げや返礼品の減量が行われる前、できるだけ早く申し込んでおくのが得策です。
筆者は、今年の寄付上限額をある試算して、おおよその金額の9割を申し込みました。
ふるさと納税の返礼品をまとめて申し込むのなら、配送時期も注意が必要です。
1か月で届くものもあれば、申し込みから半年程度かかるお礼の品もあります。
このように、配送時期に差がある返礼品をあえて選ぶことで、同時期に申し込んでも返礼品が一気に届くようなことは防げます。
筆者は今年から、複数のふるさと納税ポータルサイトを使い分けて利用しています。
その理由は、「ポイ活」を行うためです。
サイトによって、ポイント還元やポイントアップキャンペーンを開催しており、その日程や時期にはばらつきがあります。
「今お得」なサイトをうまく使い分けることで、税控除・返礼品・ポイントの3つを受け取ることが可能です。
筆者は、「楽天ふるさと納税」「ふるなび」「さとふる」の3サイトを利用。
楽天は、5のつく日×お買い物マラソンの重複日にまとめて寄付を申し込むことで、ポイント付与率がアップします。
今回の改正で、寄付金額の値上げや返礼品が減量となる可能性が高いです。
同じ返礼品を受け取るために必要な支払い(寄付)が増えるほか、同額の寄付でも受け取れる返礼品が減ることも考えられます。
2023年のふるさと納税は、できるだけ早く。
個人的には、改正前のお礼の品が残っている時期に申し込んでおいた方がお得だと感じます。
まとめて寄付を申し込む場合は、返礼品が一気に届くことのないよう「配送時期」も必ず確認してください。(執筆者: 三木 千奈)
「ふるさと納税」で節税したのに「6月からの住民税が増えた」のはなぜ? その理由を税理士の筆者が解説します。
住民税の決定通知書 1か所でわかる「ふるさと納税」の税額控除
住民税は「産休・育休中」も支払いが発生します 想定外の納税で慌てない方法と税額を減らす工夫