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中高生が定期券を使えるようになったモバイルSuicaについて整理します。
中高生はクレジットカードを持てないため、大人用と同じというわけにはいきません。
大前提です。
通勤通学を問わず、モバイルSuicaで利用できる定期券は、JR東日本の区間が経路に含まれている場合のみです。
モバイルSuica自体はすでに未成年者にも開放されていたのですが、使い勝手には難がありました。
次の問題があったためです。
1. チャージの方法とポイント付与が限られる
2. 保護者クレジットカードと組み合わせられない
3. 中高生の通学定期利用不可
今回、2と3が解決しました。
保護者クレジットカードでモバイルSuicaの通学定期が買えます。
ただし、保護者クレジットカードから自由にチャージができるようになったわけではありません。
チャージについては、次の場合のみです。
・ Apple PayのSuicaで記名式Suicaを新規発行する際の初回1,000円チャージ
結局、これから先もこうした制限が残ります。
・ 定期はクレジット決済できる(ポイントもたまる)
・ 子供へのお小遣いとしてSuica残高を与える手段としてはキャッシュレスにできない
・ 中高生へのモバイルSuicaにチャージする方法は、基本現金(コンビニレジ等)
・ 子供がSuicaを使っても、乗車ポイント(定期区間には無関係)や駅ビル利用時を除き、ポイントは得られない
15歳以上ならデビットカードを自己名義で持てますが、デビットカードは原則としてモバイルSuicaチャージに登録できません。
モバイルSuicaにカード以外でオンラインチャージする方法として、「Suitto」(ローソン銀行と一部地銀系)「JCoin」(みずほ銀行)等があります。
どちらのサービスも未成年者も使えるものの、チャージ時にポイントは付きません。
大人がクレジットカードと組み合わせて高還元で使えるモバイルSuicaの価値は、中高生の場合大幅に下がります。
キャッシュレス派としては、子供の定期が買えるかどうかだけではなく、ポイントが付くかどうかも気になるはずです。
この点、ほぼすべてのカードでポイント付与がされると思われます。
中高生本人名義のデビットカードでも、ポイントがたまるはずです。
電子マネーチャージとは性質が異なるので、クレジットカードやデビットカード側でポイント付与の制限がなされている例はほとんどないでしょう。
なおJR東日本系のビューカードで定期を買う場合、ポイント付与率は次の通り大きく優遇されています。
・ カードタイプSuica → 3.0%
・ モバイルSuica → 5.0%
従来からあるカードタイプSuicaも振り返ってみます。
大人の場合は圧倒的にモバイルがいいのですが、中高生の場合はカードにもメリットが次の通りあります。
・ JR東日本駅の券売機で、保護者のクレジットカードで通学定期が買える(ポイントも付く)
・ ビューカード(JR東日本系のクレカ)があれば、チャージも可能でポイントも付く
カードタイプの場合、チャージでポイントが付く(ただしモバイルSuicaの3分の0.5%)のがメリットです。
ただ、少なくともクレジットカードを持った保護者が、子供のカードタイプSuicaを持って駅に行く必要があります。
カードタイプ独自のデメリットとしては、紛失しやすいことがあります。
以前はこれは当たり前のリスクでしたが、スマートフォンが便利になると目立ちます。
ただカードタイプSuicaを失くしても再発行でき、金銭的損失はデポジットの500円のみです。
モバイルSuicaの場合、どこでも定期が買えるのはメリットですが、チャージに付加価値がありません。
それから、学校にスマートフォンを取り上げられたりすると大変です。
中学生の場合、そもそもモバイルSuicaはダメ、という場合も多いでしょう。
最後にまとめです。
中高生に定期を持たせるなら、モバイルSuicaとカードタイプ、どちらがいいでしょうか。
条件に合わせて答えを決めます。
「チャージ時のポイントが欲しい」「現金チャージを避けたい」
→ カードタイプ(ただし「JR東日本の駅が近くにあること」「ビューカードがある」が前提)
「チャージ時のポイントはなくてもいい」「現金チャージでもいい」
→ モバイルSuica
→ モバイルSuica
電子マネーとしての利用の有無で分けるといいでしょう。
カードタイプにもメリットがあるものの、保護者にビューカードが必須です。
なお、中高生のキャッシュレスは、PayPayがおすすめです。
他に楽天キャッシュ(楽天ペイまたは楽天Edyで利用可)も便利です。
楽天Edyの「きゃらぺい」も面白いでしょう。
キャッシュレス派なら、子供の定期まで目を配りたいものですね。(執筆者:金融系ライター 沼島 まさし)
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