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5月:0.5%引き上げして「0.75~1.00%」
6月:0.75%引き上げして「1.50~1.75%」
7月:0.75%引き上げして「2.25~2.50%」
9月:0.75%引き上げして「3.00~3.25%」
11月:0.75%引き上げして「3.75~4.00%」
12月:0.5%引き上げして「4.25~4.50%」
政策金利が引き上げされると銀行などの金融機関は、以前よりも高い金利で資金調達をするため、企業や個人に対して貸出する時の金利を、引き上げする必要があります。
これにより企業や個人は、以前より資金を借りにくくなるため、経済活動が抑制されます。
結果として株価が下落するだけでなく、過熱した景気が沈静化してくるため、インフレ(物価が継続的に上昇する経済現象)が収まってくるのです。
2022年のアメリカ経済を振り返ってみると、年初から株価は下落を続けました。
一方でインフレはなかなか収まらなかったのですが、2022年後半に入った辺りから、CPI(消費者物価指数)などが低下を始めたため、インフレが収まる兆しが見えてきたのです。
これを受けてFRBはFF金利の引き上げペースを、12月は少しだけ緩やかにしました。
ただ2022年11月のCPIは前年同月比で7.1%の上昇となり、依然として数値が高いため、2023年に入ってからも引き続き、FF金利は引き上げされると思います。
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日本の中央銀行である日銀は、長期金利(10 年物国債の金利)をプラスマイナス0.25%の範囲内に操作する、YCC(イールドカーブ・コントロール)という政策を実施してきたのです。
2022年は長期金利の上昇が続き、プラス0.25%を超える場面が何度もあったので、日銀は指し値オペ(指定した利回りで国債を無制限に購入する制度)を実施し、長期金利を範囲内に抑えたのです。
一方でFRBは上記のように、金利を急ピッチで引き上げしたので、日本とアメリカの金利差は拡大していきました。
また金利差の拡大により、金利の低い円を売って、金利の高い米ドルを購入する動きが加速したのです。
そのため2022年初めには、1米ドル=115円くらいの水準だったものが、10月には1米ドル=150円台に達しました。
ここまで急激な円安が進むと、日本経済に悪影響が出てくるため、財務省は2022年9月と10月に、米ドル売り円買いの為替介入を、24年ぶりに実施したのです。
また日銀は2022年12月にYCCの許容変動幅を、プラスマイナス0.25%から0.5%に拡大したため、日本とアメリカの金利差は縮小したのです。
これらによって2022年初め頃から始まった急激な円安は、今のところは勢いを失い、円高傾向が続いております。
日銀がYCCの許容変動幅を拡大し、プラス0.5%までの金利上昇を容認したのは、日本でもアメリカほどではないにしろ、インフレが続いているからだと推測されます。
2023年になってからも引き続き、インフレが続くという予想が多いのですが、デフレ(物価が継続的に下降する経済現象)に逆戻りするという予想もあります。
その理由としては円安や資源価格の上昇が勢いを失っているため、これらによって生じていた輸入原材料などの値上げに、歯止めがかかる可能性があるからです。
また賃金の伸びが物価の上昇に追いつかなかった場合、個人消費の落ち込みが続くため、企業は商品などの価格を値上げするのが、更に難しくなるからです。
いずれの予想も説得力があるので、2023年はインフレとデフレのどちらにも対応できる金融商品を、選んだ方が良いと思います。
その代表的なものは個人向け国債の一種である、変動10(変動金利型10年満期)だと思います。
なぜ変動10が良いのかというと、半年毎に適用利率が変わる「変動金利制」を採用しているため、多少の時間的なズレはありますが、インフレによる金利上昇に対応できるからです。
また変動10には年率で0.05%という、最低金利保証(適用利率の下限)があるため、デフレに逆戻りして金利が低下しても、これよりは低くならないからです。
なお発行から1年が経過すれば、原則としていつでも、全部または一部の中途換金が可能になるため、10年後の満期まで保有しなくても良いのです。
FRBがFF金利を引き上げしたことにより、アメリカの株価は下落が続いております。
ただコストが上昇した分の価格転嫁が進めば、企業の売上や利益などが増加し、株価は上昇しやすくなるため、株式は長期的にみると、インフレの時代に適した金融商品なのです。
一方でデフレに逆戻りして、金利が低下してくると、債券価格は上昇しやすくなるため、債券はデフレの時代に適した金融商品なのです。
またインフレが続くと、家賃や価格が上がりやすい不動産は、インフレ対策になるだけでなく、デフレになっても家賃は下がりにくいため、デフレ対策にもなるのです。
不動産を購入するためには、多額の資金が必要になりますが、リート(不動産投資信託)であれば少額から購入できます。
そうなると株式、債券、リートを保有していれば、インフレとデフレのどちらが来たとしても、その状況に対応できるのです。
また日銀の政策変更によって、日本と世界各国の金利差は縮小しておりますが、依然として金利差は大きいので、2022年と同じように外貨建て資産を購入する方が増え、この価格が上がる可能性があります。
そのため円建て資産だけでなく、外貨建て資産も保有しておいた方が良いのです。
こういった点から2023年は、8資産(国内株式、先進国株式、新興国株式、国内債券、先進国債券、新興国債券、国内リート、先進国リート)に対して均等に配分した、次のような投資信託を選んだ方が良いと思います。
もちろんインフレとデフレのどちらが来るのかを予想するのは、いつの時代も難しいので、これらの投資信託を長期に渡って積立しても良いのです。
その際には年間40万円までの積立投資から生じた利益が、最長で20年に渡って非課税になるという、優れた税制優遇が付いている、つみたてNISAを利用してみるのが良いと思います。(執筆者:社会保険労務士 木村 公司)
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