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【固定資産税が高いと思ったら】お隣と比べて適正かどうかわかる「縦覧」の方法と実際レポ
住宅ローンの金利タイプには「変動金利型」「全期間固定金利型」「固定期間選択型」の3種類があります。
住宅金融支援機構の統計調査によると、毎回、変動金利型の利用者が5割以上を占めています。
そして、変動金利型を利用された方の理由は「金利が低い」が圧倒的割合を占めています。
バブル経済崩壊後は住宅ローンの金利は低下し続け、さらに金融機関同士の激しい競争に伴う優遇金利による2つの理由から、超低金利が常態化しています。
住宅を購入される多くの年代である30~40代の方にとっては、住宅ローンの金利は超低金利、しかも徐々に金利は低下していく経験しかありません。
住宅ローンの金利上昇の可能性については、頭では理解できていても実感として湧かないのが本音ではないでしょうか。
≪画像元:住宅金融支援機構(住宅ローン利用者調査2021年10月調査)≫
変動金利型と固定金利型の金利は固定金利型の方が高くなっていますが、実際には、返済額はどのくらいの違いがあるのでしょうか。
例にて確認してみましょう。
【例】
・ 借入額:3,000万円 ・ 返済期間:30年 ・ 返済方法:元利均等返済
<変動金利型> ・ 適用金利:0.375%(表面金利)
※大手銀行 2022年4月時点
● 毎月返済額:8万8,121円 ● 総返済額:3,172万3,647円
<全期間固定金利型>・ 適用金利:1.44%
※フラット35最頻金利・2022年4月時点(返済期間21年~35年)
● 毎月返済額:10万2,674円 ● 総返済額:3,696万2,664円
このように、変動金利型と全期間固定金利型とでは、例の場合ですと毎月返済額は約1万4,000円、総返済額は約520万円の差があります。
この数字だけを見ると、変動金利型の選択に軍配が上がるでしょう。
しかし、全期間固定金利型は言うまでもなく、今後、世の中の金利が上昇した場合でも適用金利の変更はありません。
一方で、変動金利型は半年に1回適用金利を見直し、返済額は5年に1回見直します。
変動金利型は住宅ローンの完済まで金利上昇リスクを抱えることになります。
また、返済期間が長ければ長いほどそのリスクを抱える期間が長くなります。
ただし、今後金利が上昇した場合でも、現時点での全期間固定金利型の適用金利以下での上昇に留まった場合には変動金利型の方が有利であると言えるでしょう。
現在は、金融機関同士の競争と日本銀行の金融緩和政策により超低金利の状態が続いています。
金融機関同士の競争は今後も続くことは予想できますが、日本銀行の金利政策(金融緩和政策)や今後の金利の情勢については、いつの時点でどのように上昇していくなど断定できる専門家はいないと言えるでしょう。
もし、金利が上昇した場合は、一般的に全期間固定金利型(長期金利)の適用金利から先に上昇すると言われています。
したがって、変動金利型の適用金利が上昇し始めたと気付いた時点では、全期間固定金利型はもっと上昇している可能性もあり、全期間固定金利型に借換えることは現実的ではないのかもしれません。
● 金利上昇時に繰上げ返済できるだけの余剰資金がある人
● 全期間固定金利型の適用金利で無理のない住宅購入計画を立てているが、変動金利型の低い金利に魅力がある人
● 今後、長期間にわたって金利は上昇しないと確信している人
ポイントは、「余裕を持った住宅購入計画」です。
逆に、変動金利型の今の適用金利が続いたと前提した上でギリギリの住宅購入計画を立てることはリスクが高いと言えるでしょう。
上記の3つに当てはまらない場合は、全期間固定金利型、または固定金利選択型(固定金利期間を長め)の選択が無難でしょう。
もしくは、家計の身の丈を超えている可能性もあります。
また、ギリギリの住宅購入計画の場合でも「今後、長期間にわたって金利は上昇しないと確信している人」であれば、筆者としてはそれを否定する権利はないと思いますが、そこまでのものがないのであれば、ギリギリの住宅購入計画と変動金利型のセットの選択は、将来のどこかの時点で無理が生じるでしょう。
そのためには、勢いで住宅を購入するのではなく、「無理のない住宅購入計画=今後の生活設計」が必要です。
変動金利型と全期間固定金利型の選択は、個々の価値観や考え方も影響するとは思いますが、変動金利型を選択される時には、より慎重な住宅購入計画が必要です。(執筆者:CFP、FP技能士1級 岡田 佳久)
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