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そもそも「逆イールド」とは何でしょうか。
これは債券市場で短期物国債(2年物国債)の利回りが長期物国債(10年物国債)の利回りを上回る現象のことで一般的に景気後退のシグナルとされています。
通常は長期間預けることになる10年物国債の方が短期で償還を迎える2年物国債よりも利回りが高くなります。
ですが将来的に景気が悪化することが予想されることによって、長期物国債の利回りの方が低くなってしまうという現象が起きます。
これの何が厄介かというと、1969年以降、過去8回の景気後退の前には必ずこの逆イールド現象が起きているという事実です。
つまり過去の統計からいうと近いうちに「100%景気後退入りする」ということになってしまいます。
逆イールドが発生したからといって直ちに景気後退入りするわけではありません。
株価もしばらくは上昇することを予想する専門家も多いです。
例えば
と過去の例からすると逆イールド発生から早くて半年ほど、遅ければ2年ほどで景気後退入りすることとなります。
下図で見ると青の折れ線グラフが長短金利差、つまり0以下となると短期金利が長期金利を上回る逆イールド発生となります。
グレーの網掛け部分が景気後退期です。
いずれも逆イールド発生からしばらくして景気後退入りしていることがわかります。
つまり早ければ年末、もしくは2023年から2024年頃にかけて景気後退となる公算が大きいといえます。
今後、ウクライナとロシアの戦争を発端とした原油高に伴う輸送コストの増大や人件費の上昇が企業の収益を圧迫することが予想されています。
FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げやQT(量的引き締め)などの景気引き締め策も控えています。
株価上昇にとっては向かい風となる状況が続くと予想しておく方が良さそうです。
景気後退、株価下落が予想される中、どのような投資戦略で挑めば良いのでしょうか。
結論からいうと「時間分散」を行うことが賢明といえます。
いつまで株価が上昇して、いつ下落するのか、そしていつ底をつけて上昇に転じるのかは誰にもわかりません。
予想することはできても当てることは不可能に近いといってよいでしょう。
ということはいつ底がきても、いつ上昇に転じてもよいように投資を行うことが正解となります。
つみたてNISAやiDeCoといった積立投資をしている方はそのまま継続、景気後退入りしても気にせず積み立てすることが将来の利益につながるでしょう。
一時金での投資を検討している方は複数回に分けて買い付けを行うことをおすすめします。
例えば300万円の投資資金があるなら毎月10万円ずつ、30回に分けて買い付けするといった具合です。
もちろん投資に回していない資金については待機資金となってしまい機会損失につながる可能性もあります。
ですが近々訪れる可能性の高い暴落に対して備えるならば時間をかけることが得策と考えます。(執筆者:FP技能士2級、証券外務員1種 冨岡 光)
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